「点を取りたすぎて…」苦しみを乗り越え、たどり着いたU-20W杯で気分は高揚! 石渡ネルソンはNZ戦で真価を示せるか【現地発】

2025年10月03日 松尾祐希

お世話になった人への恩返しを誓う

結果で感謝を。U-20日本代表の石渡がNZ戦での活躍を誓った。写真:松尾祐希

 1年前、U-20日本代表のMF石渡ネルソン(いわき)はもがいていた。

 セレッソ大阪の育成組織出身で、高校2年次にプロ契約を締結。しかし、出場機会に恵まれず、トップで活動していたためU-18チームでもピッチに立てなかった。心機一転、昨季は愛媛への期限付き移籍を決断したものの、ここでも苦戦を強いられた。

「去年は本当に苦しんだ。同年代の仲間が(代表で)アジアカップの本大会や予選を戦うのを見ているだけ。『(感情としては)なんで選ばれないんだ!』ではなく、そもそも試合に出られていなかった(ので仕方ない部分がある)。でも、めちゃくちゃ悔しかった」(石渡)

 2年前のU-20ワールドカップにトレーニングパートナーとして参加し、世代別代表の常連だったのは過去の話。実際に去年は一度も代表活動に呼ばれておらず、自クラブで試合に出られていない状況では当然のことでもあった。

 だが、今は船越ジャパンの一員としてチリに赴き、U-20W杯を戦っている。エジプトとの初戦(2−0)と、チリとの第2戦(2−0)は途中から出場。「点が取りたすぎて」と苦笑いを浮かべたように、ボランチながら気持ちがたかぶって前に出すぎてしまうプレーも多かったが、それだけ切望していた舞台だからでもある。

 こうしてW杯に参戦できているのも、今までの悔しい経験があったからこそだ。特に今季はいわきで開幕から主軸としてプレーし、目覚ましい活躍を見せている。田村雄三監督から怒られる時もあったが、熱き指揮官に見守られながら成長を遂げた。その関係性はまるで先生と生徒のようで、石渡も感謝の言葉を口にする。

「良いことばっかりじゃないし、悪かったら言われる。感謝しかないです」
 
 田村監督だけではなく、C大阪時代にお世話になった関係者への想いもあり、そうした多くの人に恩を返すためにもW杯では結果を残したいと意気込む。

「みんな見てくれていると思うので、ここでどれだけ見せられるか。もっともっと、どんどんチャレンジしたい」とは石渡の言葉。2連勝でノックアウトステージ進出が決まった状況で迎えるグループステージ最終節はニュージランドが相手となる。

 ニュージランドは予選突破をかけて死に物狂いで臨んでくるなかで、石渡はどんなプレーを見せるか。いかなる状況であっても自分を見失わず、チームのタスクをこなしながら"個性"を出すことに意欲を示す。

「勝っている状態で終盤から起用されていたので、クローザーみたいになっているけど、(先発でもサブでも)チームの役割を理解したうえで自分の良さをどれだけ出せるかだと思う。やるべきことはやりながら、出られるタイミングで前に出たい」

 グラウンドを離れれば、明るいキャラクターで周りを和ませる。しかし、ピッチに入れば、思い切った持ち運びや、サイズとリーチの長さを利したパワフルなプレーで違いを生み出す。185センチのスケールが大きなボランチは、ニュージランド戦をきっかけに、世界に名をとどろかせられるか。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

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