【リオ五輪】負けたら終了の状況に燃える南野。「逆境を撥ね返して行かないと、この先前に進めない」

2016年08月07日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「僕は攻撃の選手なので、試合に出たらゴールかアシストでチームに貢献したい」

南野は、コロンビア戦でキーポイントとなるのは「距離感」「スペース」だと話した。写真:JMPA/小倉直樹

「逆境に立っていることが普通」
 
 コロンビア戦に負けたら敗退という状況に立たされ、手倉森監督が前日練習後にこれまでのチームの道のりを表現した言葉だ。それを聞いていたかのように、「難しい状況に立たされているのは分かっていますが、逆境をはね返せるように頑張りたい」と話したのが、欧州組のひとりとして参加する南野拓実である。

【リオ五輪PHOTO】コロンビア戦前日練習
 
「次の試合は非常に大事。ボールを奪いに行った時にどうやって取り切るか、チームとしても、個人としても球際の勝負になる。コロンビアは前線にオーバーエイジの個の能力が高い選手がいるので。カウンターには注意を払わないといけない。ただ、点を取りに行かないと勝てないし、もう勝ちに行くしかない。僕は攻撃の選手なので、守備を大事にしながらも、試合に出たらしっかりゴールかアシストでチームに貢献したい」
 
 点を取るうえで、ひとつ参考になるのがナイジェリア戦の2点目(南野のゴール)である。左サイドの中島翔哉が中央の興梠慎三へパスを送ると、興梠はダイレクトで中盤の大島僚太へリターン。その後、最終ラインのギャップに入り込んだ南野にスルーパスが通り、南野は冷静にGKの股下を通して同点ゴールを挙げた。コロンビア戦でキーポイントとなるのは「距離感」「スペース」だと背番号18は話す。
 
「チーム全体の距離感と、スペースをどう使うかがポイントになってくる。(相手の守備には)スペースがあると感じているので、相手のCBと中盤の間でボールを受ければ、前を向くチャンスはあるかなと。相手の立ち位置によってどうやってボールの受け方は変わってきますけど、攻撃は(ナイジェリア戦で)手応えを感じている部分がある。崩しに関しては、自信を持ってやって行ければいいかなと思います」
 
 南野は2014年のU-19アジア選手権で、初戦を落とした後(中国に1-2)、ベトナム戦(3-1)、韓国戦(2-1)と連勝を飾り、グループリーグを突破している(大会の最終結果はベスト8)。そうした"成功体験"があるからこそ、「まだまだチャンスはある」と決して下は向かない。
 
「やっぱりこういう状況撥ね返していけないと、この先前に進めない。この五輪だけでなく、他のこれからの自分のサッカー人生でも大事な重要な一戦になるかなと。次勝って勢いに乗れれば、グループリーグを突破できる力はこのチームには絶対にあると思っているので、明日は絶対に勝ちたい」
 
 自らのゴールで五輪初勝利に華を添える。南野ならこのミッションを必ずやってのけるはずだ。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト特派)
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事