彼がどれほどクラブやファンに対してコミットメントを示しているか
怪我を抱えながらも決勝点に絡んだ久保。(C)Getty Images
タケ・クボ(久保建英)に何か問題が起きている。開幕から大きく出遅れ、まだ9月だというのに決勝戦のような緊迫感を漂わせていたマジョルカ戦で、再び先発出場した。しかし、今の彼は鋭さも奔放さも失っている。継続性がなく、インパクトが薄く、本来の姿ではない。
クラブの広報担当者との会話の中でその答えが明らかになった。曰く「代表戦で負った足首の捻挫の影響で、強い痛みを抱えながら、非常に不快な状態でプレーしている」と言う。そんな中でも、セルヒオ・フランシスコ監督がスタメンで起用し続けているのは、不動の主力として絶対的な信頼を置いているからに他ならない。
この序盤戦、レアル・ソシエダの前線はそのタケも含めたミケル・オジャルサバル、アンデル・バレネチェアのトリオが形成する形が定着している。そう、イマノル・アルグアシル前監督が編み出したトリデンテだ。オマル・サディクやアンドレ・シルバ(現エルチェ)といった本来CFを務めるべき面々が全く期待外れで、妥協の末に生まれたユニットだったが、ラ・リーガだけでなく、チャンピオンズリーグでも猛威を振るった。
そのトリデンテが今また復活し、今シーズンのチームの6得点全てに3人のうちのいずれかが絡んでいる。マジョルカ戦の48分の先制点もオジャルサバルの落としを受けたタケのダイレクトパスが起点となって、バレネチェアのクロスからオジャルサバルが無人のゴールに流し込むというまさにその3人の流れるようなコンビネーションから生まれた。
クラブの広報担当者との会話の中でその答えが明らかになった。曰く「代表戦で負った足首の捻挫の影響で、強い痛みを抱えながら、非常に不快な状態でプレーしている」と言う。そんな中でも、セルヒオ・フランシスコ監督がスタメンで起用し続けているのは、不動の主力として絶対的な信頼を置いているからに他ならない。
この序盤戦、レアル・ソシエダの前線はそのタケも含めたミケル・オジャルサバル、アンデル・バレネチェアのトリオが形成する形が定着している。そう、イマノル・アルグアシル前監督が編み出したトリデンテだ。オマル・サディクやアンドレ・シルバ(現エルチェ)といった本来CFを務めるべき面々が全く期待外れで、妥協の末に生まれたユニットだったが、ラ・リーガだけでなく、チャンピオンズリーグでも猛威を振るった。
そのトリデンテが今また復活し、今シーズンのチームの6得点全てに3人のうちのいずれかが絡んでいる。マジョルカ戦の48分の先制点もオジャルサバルの落としを受けたタケのダイレクトパスが起点となって、バレネチェアのクロスからオジャルサバルが無人のゴールに流し込むというまさにその3人の流れるようなコンビネーションから生まれた。
ちなみに個別では、オジャルサバルが2得点1アシスト、バレネチェアが1得点2アシスト、タケが1得点を記録している。バレネチェアは開幕から好調を維持し、オジャルサバルはワールドクラスの選手だ。その意味では現時点で最も向上の余地があるのは、タケだ。
ただ前述した通り本来の姿ではなかったこのマジョルカ戦でも、19分にホン・アランブルが逃した決定的なチャンスを彼が作ったことも指摘しておかなければならない。アシストがないとよく叩かれるが、外すほうが難しい完璧なピンポイントクロスだった。
非難されるとすれば、ほとんど無人のゴール前で、マジョルカのDFがいるファーサイドへ蹴り込み、クリアされた69分の場面だ。一度ボールをコントロールし、狙いを定めることもできたはずだが、焦ってシュートを打ってしまった。
結局、足首の痛みにもかかわらず、85分までプレーした。タケはプロ中のプロであり、巨人だからだ。彼がどれほどクラブのエンブレム、ファンに対してコミットメントを示しているかを知る者は少ない。勝利を一緒に祝うため、観客席に向かって歩いている間、負傷した足を全く踏ん張ることができていなかった。
タケはここから改めてペースを上げて行かなければならないが、心配する必要はないだろう。どんな状況にあっても、必ず立ち上がるからだ。それこそが、私が彼を超一流のプレーヤーと評価する所以でもある。
取材・文●ミケル・レカルデ(ノティシアス・デ・ギプスコア)
翻訳●下村正幸
【動画】久保建英が見事なパスで決勝点を演出
【記事】彼がいないとここまで違うのか。完敗の日本代表は「生命線」の不在が大きく影響した【担当記者コラム】
ただ前述した通り本来の姿ではなかったこのマジョルカ戦でも、19分にホン・アランブルが逃した決定的なチャンスを彼が作ったことも指摘しておかなければならない。アシストがないとよく叩かれるが、外すほうが難しい完璧なピンポイントクロスだった。
非難されるとすれば、ほとんど無人のゴール前で、マジョルカのDFがいるファーサイドへ蹴り込み、クリアされた69分の場面だ。一度ボールをコントロールし、狙いを定めることもできたはずだが、焦ってシュートを打ってしまった。
結局、足首の痛みにもかかわらず、85分までプレーした。タケはプロ中のプロであり、巨人だからだ。彼がどれほどクラブのエンブレム、ファンに対してコミットメントを示しているかを知る者は少ない。勝利を一緒に祝うため、観客席に向かって歩いている間、負傷した足を全く踏ん張ることができていなかった。
タケはここから改めてペースを上げて行かなければならないが、心配する必要はないだろう。どんな状況にあっても、必ず立ち上がるからだ。それこそが、私が彼を超一流のプレーヤーと評価する所以でもある。
取材・文●ミケル・レカルデ(ノティシアス・デ・ギプスコア)
翻訳●下村正幸
【動画】久保建英が見事なパスで決勝点を演出
【記事】彼がいないとここまで違うのか。完敗の日本代表は「生命線」の不在が大きく影響した【担当記者コラム】