「タケは不機嫌そうだった」久保建英のマドリー戦スタメン落ちの舞台裏。敵DFのタックルにソシエダ番記者は怒り「負傷している足首を削ってきた」【現地発】

2025年09月17日 サッカーダイジェストWeb編集部

「状態はあまり良くなさそうだった」

今シーズン初めてベンチスタートとなった久保。(C)Mutsu FOTOGRAFIA

 最初から何かがおかしいと感じていた。"FIFAウイルス"というロシアンルーレットは、代表に送り込む選手の数が増えるほど、弾丸が出る確率が高くなる。そして、その通りになった。

 この2週間、当然ながらドノスティア(サン・セバスティアン)では、北中米ワールドカップ出場を決めた日本が2つの親善試合に臨み、土曜日にレアル・マドリーがアノエタを訪れるという展開を注視していた。

 メキシコとの最初の試合で、タケは69分間プレー。当初は何も変わったことはなく、私たちは遠くから2試合目のアメリカ戦で温存されるのではないかと推測していた。そしてその通り1分もプレーしなかったため、マドリー戦でスタメン出場する期待が高まった。

 しかし、試合先日の記者会見で、レアル・ソシエダのセルヒオ・フランシスコ監督が「タケは足首をひねり、代表監督と話して、2試合目には出場しなかった。しかし明日の試合では起用可能だ。彼と話をしたが、大丈夫とのことだった。招集メンバーに問題なく入るだろう」と衝撃的な発表を行った。

 ファンは心配の声を寄せ、しかも試合当日、状態はあまり良くなさそうだった。スタメンを外れることが明らかになった後、スパイクを履いてピッチに姿を現し感触を試していたが、あまり快適ではない様子で、不機嫌そうな顔をしてロッカールームに戻った。
 
 タケの足首がひどく傷んでいることが明らかになるには、しばらく時間が必要だった。前半、ソシエダは大量失点を喫しても不思議ではないほど圧倒されたが、幸いにして一つのプレーが流れを変えた。ディーン・ハイセンの一発退場だ。しかしそれも気休めにしかならなかった。

 12分にキリアン・エムバペに先制ゴールを許していたソシエダは、1人多い状態でプレーしていたにもかかわらず、世界最高の選手のもう1つの天才的なプレーが起点となって、アルダ・ギュレルに2点目を叩き込まれた。

 前半を終えて2点を追う展開で、観客は交代選手を投入することを期待した。しかしセルヒオ・フランシスコ監督は動かなかった。タケのコンディションに原因があるのはもう明らかだった。
 

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