「90分、何をしていたかよくわからない」今季初得点も…三笘薫は猛省、チグハグなブライトンにも本音「個人個人のプレーになると厳しい」「覇気が少ない」

2025年09月16日 片野道郎

「全然十分じゃなかった」

ゴールシーン以外では精彩を欠いた三笘。(C)Getty Images

 ブライトンでのプレミアリーグ(PL)4シーズン目を迎えた三笘薫は、第4節ボーンマス戦の48分、今季初ゴールを記録した。だが、その後に決勝点を奪われてチームは負け。悔しい表情を露わにしてピッチを去り、ロッカールームへと戻っていった。

 試合後のミックスゾーンに姿を現した三笘に、記者の一人が開口一番でシーズン初得点について聞く。質問が終わるか終わらないかのところで、「いや、もうどうでもいいです、そんなこと」とそっけなく返した。この言葉から、ただの敗戦以上に何か感じるものがあるのだろうと推察させた。チームが実力を出し切れていないもどかしさや、フラストレーションが募ったのだろう。

 前節のマンチェスター・シティ戦で逆転勝利を収めたとはいえ、開幕戦のフルアム戦、2戦目のエバートン戦を含めて、ここまでのブライトンは本調子からはほど遠い。そしてこの日も90分間を通してまるでかみ合わず、低調なプレーに終始。逆にホームでシーガルズを迎え撃ったボーンマスは、その得点差以上に試合を支配し続けた。

 左サイドハーフとして先発フル出場した三笘もゴールシーン以外は目立ったプレーがほぼ見当たらず、本人も「なかなかボールにも絡めずに、90分何をしていたかよくわからないような」と振り返り、「チームもそうだし、個人も全くまだまだ。自分たちのパフォーマンス、全然十分じゃなかったと思います」と反省の言葉が並んだ。

 この試合だけではなく、アンドニ・イラオラ監督指揮下のボーンマスは、選手たちがピッチ上で何をしようとしているのか、どんなサッカーで勝利を収めようとしているのかが容易に理解できる。

 守備をコンパクトにしながら、インテンシティの高いプレッシングでボールを奪いにいく。いざボール奪取に成功すると、チーム全員前を向き、素早い縦へのパスからカウンターで一気に敵のバックラインに襲い掛かるアグレッシブなスタイルだ。一方、今季のブライトンは、現時点では何を目指しているのかが明確には分からない。
 
 試合後の記者会見で、ファビアン・ヒュルツェラー監督は「我々は長い時間帯にわたり良いプレーをした。(負けたのは)間違った判断をした場面があっただけだ。小さなマージンの差で負けたが、全体的なパフォーマンスは良かった」と話している。

 スポーツ、特にトップレベルで戦うプロスポーツの世界では自信が結果を大きく左右する。時には虚勢を張ることも必要で、指揮官の言葉はそういった考えに基づくものかもしれない。だが、試合をただ見ている第三者からすると、現時点でのチームは攻守ともにバラバラで、昨季と比較すると後退している印象は否めない。

 三笘も、今季のチームがグループとして機能しておらず、まだまだトップギアからかけ離れていると認識している。

「そうですね。自信は多くないと思いますし。一人ひとり、助け合うところが今日も出てなかった。自分たちはそういうチームなんで、まとまりを出さないといけないチームなので。そういう個人個人のプレーになると、厳しいのは分かってますし。覇気はまだまだ少ないかなと思います」
 

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