昨季5位のチームが最下位…ドイツ移籍の日本代表MFは現状をどう捉えているのか「もっと自信を持ってつないでも…」【現地発コラム】

2025年09月13日 中野吉之伴

「次の試合から増やしていこうかな」

開幕2試合でスタメン出場をしている鈴木。(C)Getty Images

 フライブルクが開幕から連敗スタートするのは2018-19シーズン以来となる。初戦のアウグスブルク戦を1-3、2戦目のケルン戦を1-4で落とし、2節終了時の順位は最下位だ。

 長いシーズンの中で2節終了時の順位はそこまで重要ではないが、試合内容に不安要素がいろいろあるのは気になるところだ。

 この2試合と、5位に躍進した昨季と比較すると、堂安律がフランクフルトへ移籍し、ボランチのパトリック・オスターハーゲが負傷離脱している以外は、昨季のレギュラーがスタメンに名を連ねている。本当の意味で新加入は日本代表MFの鈴木唯人だけ。ただ、初めてチーム作りをしたかのように攻守両面でバランスがかみ合わずに、失点を重ねてしまった。

 ユリアン・シュースター監督はケルン戦後の記者会見で、「最初の失点はあまりにも簡単すぎた。あってはならないことだ。前半はどちらもチャンスの数は多くなく、互角の様相だったと思うのだが。アウェイの雰囲気の中でああした形での連続失点は痛い」と失点の時間帯と仕方に苦言を呈している。

 トップ下で69分までプレーした鈴木は、この試合を次のように振り返っていた。

「もちろん難しい試合になるのはわかっていたんですけど、簡単な失点をしてしまって、自分たちで自分たちを難しくしてしまったかなという感じですかね」
 
 ケルン戦では攻守のバランスがうまく取れない難しい試合展開の中で、どうしてもチーム全体的にバックパスが多くなってしまった。パスを引き出そうと動き回る鈴木だが、ボールコンタクトは21回止まり。

「個人的な印象としては、だいぶみんなバックパスをしてしまって、どんどんずるずると下がっていって、結果、ロングボールになってしまった。もうちょっと自信を持って前につないでもいいかなと思います。バランスが難しいんですけど、僕自身もう少し下がったり、もう少しチームを前進する役割とかを、次の試合から増やしていこうかなと思います」

 ビルドアップから意図的にボールを運び、チャンスメイクしていくのはフライブルク本来の強み。また相手のハイプレスに対してロングボールをFWにあてるのはこれまでにも戦略の一つとして組み込まれている。

 ただ、ケルン戦ではセカンドボールをことごとく相手に拾われてしまった。チームとしてどこからプレスを仕掛けるのか、いつどこで、どのように攻撃を構築するのかは、早急に整理し直される必要がある。

 フライブルクは代表での中断期間中にスイスのルツェルンとテストマッチを行なった。シュースター監督は、4-2で勝利したという結果以上に守備バランスで安定感が見られた点をとりあげ、「チーム内でいくつかの重要な点について話をした。一歩一歩安定感を取り戻すことが重要になる」と強調していた。この試合でオスターハーゲも無事に復帰を果たした。

 次のホームで開催されるシュツットガルト戦では、ファンに昨季のような勇敢でダイナミックなチームプレーを見せてほしい。

取材・文●中野吉之伴

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