【リオ五輪】招集難航の久保に代わるのは鈴木か、それとも野津田か?

2016年08月02日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「(五輪に出る)可能性はゼロではないし、そこに向けてやっていくのがプロとしてあるべき姿」(鈴木)

バックアップメンバーの3人(左から野津田、鈴木、中谷)。久保の代役候補である鈴木は「最善の準備をしておくことを心掛けている」という。写真:JMPA/小倉直樹

 久保招集の可否が再び先送りになった現地8月1日、バックアップメンバーの鈴木武蔵、野津田岳人、中谷進之介がチームに合流した。同日正午過ぎにマナウス入りしたばかりのため、19時から行なわれた練習は他のメンバーとは別で、ストレッチやランニング、体幹トレーニングと軽めのメニューで調整した。練習後、ミックスゾーン(取材エリア)で多くの記者に囲まれたのは、久保と同じFWの鈴木だった。

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 バックアップメンバーとなった際には「18人に選ばれなかったのは悔しい」と話していたが、今はもう整理はつき、「何かアクシデントあった時のために、最善の準備をしておくことを心掛けている」という。久保の問題に関しては「何も決まっていないので何とも言えない」としつつも、当然ながら気持ちの高ぶりはあるようだ。
 
「モチベーションはすごく上がっています。(五輪に出る)可能性はゼロではないし、少しでも可能性があるなら、そこに向けてやっていくのがプロとしてあるべき姿だと思うので。バックアップに選ばれていない選手もいるので、そういう選手のことを考えたら、自分たちは置かれた立場で精一杯やるというのがベストかなと」
 
 ブラジル戦を観て勉強になったと話す鈴木は、自分がチームに加わった場合のイメージについてこう語る。
 
「(ブラジル戦は)相手のほうが球際とか激しく行っていたので、それに負けていてはいけない。もし自分に(チームの一員として五輪に出場する)チャンスがあったなら、球際で負けないようにしていきたい」
 
 一方、鈴木と同部屋の野津田も、久保の代役候補として挙がる選手のひとりだ。この日は取材対応の対象日ではなかったため、ブラジル入りしてからの心境は定かではないが、合流前最後のリーグ戦を終えた後には、「良いサポートができたらと思うし、チャンスが巡ってきたら、しっかり自分の力を発揮できるようにやっていきたい」と語っている。
 
 手倉森ジャパンは実戦2試合で1得点のみと、攻撃陣に良い結果が出ていない。グループリーグでも、ブラジル戦のように一方的に押し込まれる、あるいはパスをつながせてもらえない可能性を考えると、野津田のように中距離・遠距離から狙える"一撃必殺"を持った選手を1枚は手元に置きたいところだ。
 
 久保の招集が叶わず、選手の差し替えを行なう決断をした場合、選ばれるのは鈴木か、野津田か。運命の時は刻一刻と迫っている。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト特派)
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