メディカル分野の専門家が【怪我予防】のメソッドを大公開!―肉ばなれ編

2016年08月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

重度の肉ばなれは筋肉や腱の断裂を引き起こしている可能性も。

 クラブや学校の部活動で日々トレーニングに励む小中高生を中心に、日常的にサッカーをプレーしていれば怪我のリスクがつきもの。しかし「自分の身体に常に目を向けることで怪我のリスクは減らせます」と言うのは同愛記念病院の医師・立石智彦先生だ。
 
 本企画では、サッカーで起こりやすい怪我の仕組みやその原因、また怪我からの復帰の流れや予防トレーニングを、立石先生と、日本代表選手も信頼を寄せるトレーナーの並木磨去光氏、東洋大サッカー部トレーナー・山浦伊吹氏の監修のもとで紹介する。
 
 今回は、急激なダッシュやストップ動作で起こしやすいと言われる、「肉ばなれ」を取り上げる。
 
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■肉ばなれの仕組み
 
 肉ばなれの原因として一般的とされるのは、筋肉が限界を超えて急激に伸ばされる状況に陥った時だ。

 特に太ももやふくらはぎに多い障害で、ストレッチ不足などの要因もあるが、ハムストリングスの筋力が、大腿四頭筋の50パーセント以下のアンバランスな状態になるとハムストリングスの肉ばなれが起こりやすくなると言われている。
 
 肉ばなれは重度になると、筋肉や腱の断裂を引き起こしている可能性もあるので、注意が必要だ。また、日常生活に支障が出るほどの痛みがある場合は、剥離骨折の可能性も考えられるので、早めに病院で診察を受けるのが望ましい。
 
■肉ばなれの受傷原因
 
 肉ばなれは、サッカーで言えばロングフィードに追いつこうと全力疾走をする際などに多く発生する。ハムストリングスの肉ばなれは、急激なダッシュやストップ動作で起こしやすいと言われている。
 
 また、ボールを蹴る動作などでは、大腿四頭筋(太もも前側)の肉ばなれを引き起こすこともある。それを避けるためには、やはり運動前後のストレッチなどのセルフケアが重要だ。

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次ページ復帰後のストレッチは筋肉が伸ばされている感覚が持てるようになってから。

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