インテル戦で3得点! バイエルンの21歳FW、グリーンとは!?

2016年07月31日 サッカーダイジェストWeb編集部

すでにアメリカ代表では最年少得点者として歴史に名を残す。

親善試合の1試合とはいえ、ハットトリックという結果は大きい。アンチェロッティ監督は、ここまでの4試合全てでグリーンをスタメン起用している。 (C) Getty Images

 バルエルンは7月30日(現地時間)、インターナショナルチャンピオンズカップ(ICC)でインテルを4-1で下し、同大会初勝利を挙げた。
 
 この試合でハットトリックを達成したのが、FWのジュリアン・グリーン。1995年6月6日生まれの21歳で、3-3で引き分けたミラン戦でもスタメン出場を果たした。
 
 インテル戦では、7分にアラバのクロスをニアで合わせて名手サミル・ハンダノビッチの守るゴールを破り、30分にもフランク・リベリからパスを受け、左足で逆サイドのゴール隅をしっかりと射抜いた。
 
 3点目のゴールはややオフサイド気味だったものの、クロスに対してしっかり中央に走り込むストライカーとしての忠実な動きがゴールをもたらした。
 
 この試合で、チリ代表のアルトゥーロ・ビダルが合流したものの、EURO2016に出場したドイツ代表勢やロベルト・レバンドフスキらはまだ不在。カルロ・アンチェロッティ監督はチーム強化とともに、戦力の見極めという目的も持って采配を振るったが、そこでグリーンは結果を残した。
 
 アメリカ・ノースカロライナ州のシャーロットで行なわれたこの一戦での3ゴールは、彼にとって特別なものとなった。というのも彼は、2歳からドイツに住んでいるものの、アメリカで生を受け、現在はアメリカ代表選手なのである。
 
 フロリダ出身で、アメリカ人の父とドイツ人の母のあいだに生まれたグリーンは、14歳でバイエルンの下部組織に入り、2013年にプロ契約を交わした。しかし、ジョゼップ・グアルディオラ体制下では在籍2シーズンでチャンピオンズ・リーグに2試合出場したのみで、リーグ戦出場はなかった。
 
 14-15シーズンはハンブルクにレンタルされるも、ここでもリーグ戦出場は5試合に止まり、リザーブチームに回されたりもした。
 
 そんな彼は、アメリカ代表としてこれまで6試合に出場しているが、2年前にはドイツ人指揮官のユルゲン・クリンスマンに抜擢され、ブラジル・ワールドカップに出場。決勝トーナメント1回戦のベルギー戦では延長戦で途中出場を果たし、1ゴールを記録している。
 
 出場から間もなく、ファーストタッチで決めたこのボレーシュートは、アメリカ代表として史上最年少でのゴールとなり、グリーンは19歳で早くも母国のサッカー界の歴史に名を残すこととなった。
 
 今でも年に数回はアメリカに帰っているという彼は、今回のバイエルンのアメリカ遠征を「特別な旅。父は今でもアメリカに住んでいるし、ドイツと同じように僕の故郷だから」と、バイエルンのオフィシャルサイトでのインタビューに答えている。
 
 アメリカンスポーツも大好きという彼は「アイスホッケーが好きで、以前は自分でもプレーしていた。試合もよく観るよ。NBAも同じで、時間があると自分でもバスケットボールをプレーするんだ」と語っている。
 
「過密日程だけど、心地良いツアーになるだろう」と語っていた通り、結果を出したグリーンの新シーズンはいかなるものとなるか。
 
 チーム内は手強いライバルばかりだが、新指揮官に好印象を与えたことで、バイエルンでのブンデスリーガ初出場も大きく近付いたと言えるかもしれない。この21歳のストライカーの存在を、我々も覚えておいた方がいいだろう。
 
 なおバイエルンは8月3日、ニュージャージーでレアル・マドリーと対戦する予定である。
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