【新潟】野津田がリオ五輪での“繰り上げ招集”に言及。「チャンスが巡ってきたら実力を発揮したい」

2016年07月31日 橋本啓(サッカーダイジェスト)

「このチームでやっていて楽しいと感じてきている」(野津田)。

加入当初に比べて、チームに上手くフィットしている野津田。「このチームでやっていて楽しい」との言葉からも、それは窺える。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

[J1第2ステージ6節]新潟0-1FC東京/7月30日/デンカS
 
「勝利をもたらして(リオへ)行くのが理想だったんですけど……」
 
 FC東京戦を最後に、リオ五輪のバックアップメンバーとしてブラジルへと旅立つ野津田岳人は、ホームでの敗戦に唇を噛んだ。
 
 ここ3試合、2得点・1アシストと好調を維持したまま迎えたこの試合で、野津田は序盤から積極的にボールに絡みリズムを加味。味方とのパス交換から局面の打開を図り、37分には自らのパスが起点となって、R・シルバのチャンスを作りかける(ラストパスがわずかに伸びてシュートは打てなかった)など、存在感を見せた。
 
 広島からの加入当初は、出場機会を得てもどこか戸惑いながらプレーする姿もあったが、もはやそんな印象は微塵も感じられない。局面ごとでの判断、動きの質を見ても、チームに上手くフィットできているのが窺え、それは「このチームでやっていて楽しいと感じてきている」とのコメントからも察せられる。直近の試合で得点に絡んでいるのは、そういった背景があるからに他ならない。
 
 だからこそ、ひと一倍悔しさを感じたのだろう。特に、FKやCKを任されながらチャンスへ導けなかったことには、「あれだけチャンスもあったので悔しい。良いボールを供給できた感触もなかったので、申し訳なかった」と、反省の色は濃かった。
 
 さらに、「ミドルシュートの場面では相手にシュートを当ててしまった。あそこを決めていればもっと楽になったかなと思います」と言うように、ここ最近"当たり"が出ていたミドルシュートが不発に終わってしまったのも、心残りだったに違いない。
 
 野津田が言及したのは、おそらく22分の場面だろう。左サイドを駆け上がった前野貴德からのパスを中央で成岡 翔が受けた瞬間、右サイドから中央へと侵入。成岡が上手くタメを作り、PA手前で絶妙なタイミングでパスを受けた野津田が得意の左足を振り抜いたが、弾道はDFにブロックされてしまう。
 
 距離や位置的にもベストだっただけに、「あそこを決めていれば」と漏らしたのも無理はない。もっとも、このシーンに限らず「もう少しミドルシュートを撃つシーンを増やしていかなきゃいけなかった」と、シュート1本に終わった事実にも改善の余地はあっただろう。
 

次ページリオへ旅立つ前に“もしも”の場合への覚悟を述べる。

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