混迷を深めるアルゼンチン代表監督人事。最右翼のビエルサ、シメオネとは交渉が破談に…。

2016年07月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

会長自らが交渉へ。その候補者たちとは…。

監督候補にはビエルサ(左上)やサンパオリ(右上)などビッグネームの名前が挙がるが、いずれも交渉は上手くいっておらず、ペレス会長の苦悩は続きそうだ。 (C) Getty Images、(C)REUTERS/AFLO

 今夏のコパ・アメリカ・センテナリオ決勝でチリに敗れ、2大会連続の準優勝に終わったアルゼンチン。大会後にリオデジャネイロ・オリンピックでも指揮を執る予定だったヘラルド・マルティーノが辞任したが、いまだその後任は決まっておらず、監督人事は混迷を深めている。
 
 アルゼンチン紙『オレ』など同国内の複数メディアが伝えている、アルゼンチン・サッカー協会(AFA)が新監督に招聘しようとアプローチを試みている人物は以下の通りだ。
 
ホルヘ・サンパオリ(現セビージャ監督)
ディエゴ・シメオネ(現アトレティコ・マドリー監督)
マウリシオ・ポチェティーノ(現トッテナム監督)
マルセロ・ガジャルド(現リバープレート監督)
エドガルド・バウサ(現サンパウロ監督)
ミゲル・アンヘル・ルッソ(現ベレス監督)
マルセロ・ビエルサ(元ラツィオ監督)
 
 会長不在の状態が続いているAFAを統括するアルゼンチン・サッカー正常化委員会のアルマンド・ペレス会長は、7月22日に自らスペインに赴き、シメオネとサンパオリと会談。前者との交渉は「アトレティコとの契約上、難しい」と暗礁に乗り上げたことをコメントした。
 
 清武弘嗣が所属するセビージャの監督になったばかりのサンパオリには、クラブとの兼任案を打診したとスペイン紙『アス』が伝えているが、こちらはセビージャのラモン・モンチSDが「接触したという話は聞いていないし、AFAとは話をしていない」と交渉の存在自体を否定した。
 
 また、フリーの候補者の中では1998年から2004年まで同代表監督を務めた経験を持ち、今夏に就任したラツィオをわずか2日で辞任したビエルサが最右翼として噂されていた。
 
 しかし、7月27日に現地のラジオ番組『スーぺル』でペレス会長が、「ビエルサと話したが、彼には自分が適任者ではないと言われてしまった」とオファーを断られたことを明かしている。
 
 南米で指揮を執る人物の中では、2008年にリガ・デ・キト(エクアドル)を、2014年にはサンロレンソを南米王者に導き、現在はサンパウロ(ブラジル)の監督を務めているバウサが有力候補として挙げられている。
 
 7月22日にペレス会長と会談した後にバウサは、「我々はフットボールと代表について話し合った。簡単なことではないけど、決めなくてはいけない」と語り、代表監督就任を検討していることを示唆している。
 
 コパ・アメリカ終了後からリオネル・メッシの代表引退に加え、不正疑惑や財政難が明るみになるなど暗いニュースばかりが飛び交うアルゼンチン・サッカー界――。
 
 その現状を見かねた同国の大統領で、元ボカの会長であるマウリシオ・マクリも「汚職や悪習にまみれたシステムを継続させるわけにはいかない」と改革に乗り出そうとしている。
 
 こうした暗い状況を見るにアルゼンチン代表監督の座は、まだまだ決まりそうにない。監督人事の行方には引き続き注視していく必要がありそうだ。
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