「100M走で優勝するのは1位になった選手だけ。だけど…」“勝ち続けた”イニエスタが思う、勝利より大切なもの。「1番重要」なのは?

2025年08月04日 有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

「個人で到達できることには限りがある」

南アフリカW杯優勝の立役者となり、黄金のトロフィーを高々と掲げたイニエスタ氏。(C)Getty Images

 楽天グループが8月1日、大型イベントをパシフィコ横浜で開催。トークセッションには同社の社長であり、ヴィッセル神戸の会長を務める三木谷浩史氏と、元日本代表の大久保嘉人氏が参加した。

 神戸OBのアンドレス・イニエスタ氏も登壇予定だったものの、「家庭の事情でどうしても来日することが難しくなってしまった」ため、来日をキャンセル。映像を通じて様々なメッセージを発信したなか、「勝利」に対する考え方も伝えた。

 41歳のスーパーレジェンドは、スペイン代表としてW杯やEURO、バルセロナの一員としてラ・リーガやチャンピオンオンズリーグ、ヴィッセルの一員として天皇杯を制覇。数々のタイトルを獲得し、キャリアを通じて勝ち続けたが、最も大切なものは別にあると訴えた。

「優勝や昇格などの結果にフォーカスし過ぎるのではなく、毎日の積み重ねやプロセス、そこに到達するために何をしているのか、自分やチームメイトが成長するために何ができるかが1番重要だと思っている。

 例えばワールドカップの決勝でシュートを打って、ポストに当たれば負けてしまうこともあるし、100メートル走であれば、優勝するのは1位になった選手だけだけど、2位になった選手も勝つために準備してきたわけだし、自分自身を超えるために日々努力をしてきたはずだ。そこに到達するために何をしたかが1番重要だし、そのプロセスをしっかりコントロールすることで、求めている結果の勝利や目標により近付ける」
 
 イニエスタ氏はその上で、「個人で到達できることには限りがあるので、多くの人の掛け合わせた力が必要になる。自分のベストとチームメイトのベスト、チームみんなのベストバージョンを掛け合わせた時に生まれるエネルギーがすごく重要になる」と主張。フォア・ザ・チームの精神についても熱く語った。

「当然、それぞれが自分のためにパフォーマンスを上げないといけないが、マインドセットとしてはチームとして戦う気持ちを持つこと、チームとしての統一意志を持つことはすごく重要だと思う。これがチームを勝利に近付けるものだ」

 2010年の南アフリカW杯決勝ではV弾を挙げたイニエスタ氏。勝利の格別さを含め、"全てを知る"英雄中の英雄だけに、説得力が物凄い。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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