【総体】プロ入り濃厚の岩崎が全国大会初ゴール! 京都橘がエースの圧巻プレーで初戦突破

2016年07月27日 平野貴也

私生活でも仲の良い2トップが阿吽の呼吸で先制点!

岡山学芸館戦で意外にも(!?)全国大会初ゴールをマークした岩崎。京都橘を初戦突破に導いた。写真:平野貴也

[インターハイ1回戦]京都橘 3-岡山学芸館 7月27日/東広島運動公園
 
 役者がしっかりと仕事を果たした――。
 
 インターハイのサッカー競技は27日に各地で1回戦を行ない、東広島運動公園陸上競技場の第3試合では、プロ注目のU-19日本代表FW・岩崎悠人を擁する京都橘(京都)が3-0で岡山学芸館(岡山)を破り、インターハイでの初勝利を飾った。
 
 スコアだけを見れば京都橘の圧勝だが、岡山学芸館が1回戦で消えるには惜しい強力なチームであることが証明される内容だっただけに、拮抗した展開を破った岩崎の先制点が勝敗を左右する大きな1点となった。
 
 前半29分、中盤からFW堤原翼に縦パスが入ると、岩崎は消える動きで相手DFのマークを外し、ラストパスを受けて力強くゴールへねじ込んだ。1年から公式戦に出場している岩崎だが、全国大会でのゴールは初めてだったため、試合後は「3年目でやっと取れた。1年生の時の高校選手権では、僕のアシストで翼が得点していたので、お返しだと言ってくれた。翼からのパスだったことがなおさら嬉しかった」と笑顔を見せた。
 
 立ち上がりから岩崎が激しくマークされるなか、岩崎の動き出しによって生まれるスペースを相棒の堤原が使ったところは、狙い通りだったという。京都橘の米澤一成監督は「私生活から仲が良い、あの2人だからできるという、あうんの呼吸もある」と、2トップの仕事を評価した。
 
 岩崎は、得点シーン以外でも、随所で存在感を発揮していた。前半は、相手DFの激しいマークに苦しみながらも1対1で精力的に仕掛けて相手に脅威を与えた。後半は、試合が相手ペースになったために、ボールに触る機会が減ったが、GK矢田貝壮貴の好守連発にも助けられながら反撃の機会を伺った。
 
 なかでも、後半20分のプレーは圧巻だった。ハーフウェーライン付近で相手3人を物ともせずにボールをキープして反撃の起点を作ると、自らのドリブルで突破して1人で状況を打開してみせた。
 
 試合終盤は、前がかりになった岡山学芸館の背後を巧みに突いて加点。岩崎は縦パスに抜け出し、相手を引き付けながらの鋭いラストパスで3点目をアシストするなど能力の高さを示し続けた。
 
 試合会場には、10月にU-20ワールドカップのアジア最終予選を控えるU-19日本代表の内山篤監督も視察に訪れていたが、岩崎は「先を見ないで戦いたい。個人としては、この大会でアピールして、しっかりとメンバーに入りたい。ただ、そのことを考えても(勝って)試合をする回数を増やして、チームでも個人でも結果を残すことが大事だと思っている」と主将らしく、チームの勝利にこだわる姿勢を強調した。
 
 京都橘は翌28日の2回戦で日本航空(山梨)と対戦する。
 
取材・文:平野貴也(フリーライター)

【インターハイ】1回戦PHOTOハイライト① 高岡一×履正社、三重×松山工

【インターハイ】1回戦PHOTOハイライト② 市立船橋×秋田商、横浜創英×那覇西
 
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