「彼はプロになる」
帝京長岡で注目の2年生MF和食。大阪産大附戦でハットトリックを達成した。写真:松尾祐希
[総体2回戦]帝京長岡(新潟) 4-0 大阪産大附(大阪)/7月27日/ハワイアンズスタジアムいわき
2022年シーズン、帝京長岡の中盤では最上級生となったMF廣井蘭人(現・筑波大)が圧倒的な存在感を放っていた。あれから3年。ポジションも利き足も同じで、プレースタイルも近い2年生MFが目覚ましいプレーを見せている。背番号14を託されたMF和食陽向だ。
1年次から出場機会を掴み、その才能を高く評価されて今年1月には1年生ながらJクラブの練習に参加。谷内田哲平(現・大宮)など、数多くの選手をプロの世界に送り込んできた谷口哲朗総監督も、「彼はプロになる」と期待を隠そうとしない。
トップ下やサイドハーフを主戦場とし、状況に応じてはボランチにも対応できる。利き足は左。いずれも廣井と通じるものがある一方で、一瞬の閃きは先輩に敵わない。だが、和食には廣井にはない唯一無二の武器がある。それは圧倒的な空間認知能力だ。谷口総監督は言う。
「身体的には166センチで恵まれていないけど、空間を見つける力は本当に素晴らしい」
ピッチを俯瞰して見る能力は図抜けており、瞬時に空いたスペースを把握して頭の中で攻撃の絵を描く。人が見えていない場所を把握でき、パスを通す技術も高い。「相手の立ち位置が見えていて、今行けばボールが受けられるとかも分かる」と本人が言うように、空間認知能力が攻撃を司るうえで大きな力になっている。
子供の頃から積み木などのブロック遊びが好きで、飽きずに夢中で組み立てていた。そうした取り組みが少なからず今につながっているのかもしれない。
初戦となったインターハイの2回戦、大阪産大附戦でもその才能を如何なく発揮した。
2022年シーズン、帝京長岡の中盤では最上級生となったMF廣井蘭人(現・筑波大)が圧倒的な存在感を放っていた。あれから3年。ポジションも利き足も同じで、プレースタイルも近い2年生MFが目覚ましいプレーを見せている。背番号14を託されたMF和食陽向だ。
1年次から出場機会を掴み、その才能を高く評価されて今年1月には1年生ながらJクラブの練習に参加。谷内田哲平(現・大宮)など、数多くの選手をプロの世界に送り込んできた谷口哲朗総監督も、「彼はプロになる」と期待を隠そうとしない。
トップ下やサイドハーフを主戦場とし、状況に応じてはボランチにも対応できる。利き足は左。いずれも廣井と通じるものがある一方で、一瞬の閃きは先輩に敵わない。だが、和食には廣井にはない唯一無二の武器がある。それは圧倒的な空間認知能力だ。谷口総監督は言う。
「身体的には166センチで恵まれていないけど、空間を見つける力は本当に素晴らしい」
ピッチを俯瞰して見る能力は図抜けており、瞬時に空いたスペースを把握して頭の中で攻撃の絵を描く。人が見えていない場所を把握でき、パスを通す技術も高い。「相手の立ち位置が見えていて、今行けばボールが受けられるとかも分かる」と本人が言うように、空間認知能力が攻撃を司るうえで大きな力になっている。
子供の頃から積み木などのブロック遊びが好きで、飽きずに夢中で組み立てていた。そうした取り組みが少なからず今につながっているのかもしれない。
初戦となったインターハイの2回戦、大阪産大附戦でもその才能を如何なく発揮した。
右サイドハーフで先発した和食は、開始2分にFW児山雅稀(1年)の左からのクロスに反応。ファーサイドの空いたスペースに飛び込んで先制点を決めた。その後はボールを中盤で捌きながら、ダイナミックなサイドチェンジやスルーパスを入れてチャンスを演出。自らドリブルで仕掛ける場面もあり、変幻自在な動きで攻撃をリードした。
2−0とリードして迎えた後半は、ポジションをトップ下に変えたなか、和食の勢いは止まらない。後半4分にはボールを運んで相手DFを外すと、ペナルティエリア手前から左足を振り抜く。
「サイドネットとポストは見えて、GKの立ち位置もちょっと寄っているのが分かった」と振り返ったように、冷静に左足でコントロールショットを放ってネットを揺らした。さらに同10分にも、ボールを受けると再び前進して左足を一閃。今度はGKの頭上を抜くミドルシュートを決めて、ハットトリックを達成した。
「去年はアシストが多く、先輩たちに自由にやらせてもらっていた。でも、今年は古沢徹監督から結果や数字にこだわることを少しずつ言われていて、自分でも意識していた」という和食にとって、初戦のハットトリックは大きな意味を持つ。「得点には人一倍こだわっていたので、そこは良かったと思う」とし、エースとしての責務を大舞台で果たしたことに安堵の表情を浮かべた。
守備面でも空間認知能力を活かして存在感を発揮。前半はチームとしてプレスがうまくいっていなかったなかで、中央にポジションを移した後半は2トップの下に構え、相手の2CBとダブルボランチをうまく監視しながら効果的に圧をかけ続けた。クレバーさも披露し、チームは4−0で完勝。その中で和食の働きは別格だった。
2年生エースは次戦も結果を残せるか。奇しくも29日の3回戦は滝川二(兵庫)との対戦になる。自身の地元のチームでもあり、負けるわけにはいかない。異彩を放つ背番号14の戦いはまだ始まったばかりだ。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
【画像】広瀬姉妹・ガッキー・永野芽郁! 初代から最新20代目の月島琉衣まで「選手権・歴代応援マネージャー」を一挙公開!
【画像】帝京、国見、鹿実、市船、静学、東福岡… 名門・強豪校別の「歴代ベストイレブン」を一挙紹介!
【画像】長澤まさみ、広瀬すず、今田美桜らを抑えての1位は? サカダイ選手名鑑で集計!「Jリーガーが好きな女性タレントランキング」TOP20を一挙紹介
2−0とリードして迎えた後半は、ポジションをトップ下に変えたなか、和食の勢いは止まらない。後半4分にはボールを運んで相手DFを外すと、ペナルティエリア手前から左足を振り抜く。
「サイドネットとポストは見えて、GKの立ち位置もちょっと寄っているのが分かった」と振り返ったように、冷静に左足でコントロールショットを放ってネットを揺らした。さらに同10分にも、ボールを受けると再び前進して左足を一閃。今度はGKの頭上を抜くミドルシュートを決めて、ハットトリックを達成した。
「去年はアシストが多く、先輩たちに自由にやらせてもらっていた。でも、今年は古沢徹監督から結果や数字にこだわることを少しずつ言われていて、自分でも意識していた」という和食にとって、初戦のハットトリックは大きな意味を持つ。「得点には人一倍こだわっていたので、そこは良かったと思う」とし、エースとしての責務を大舞台で果たしたことに安堵の表情を浮かべた。
守備面でも空間認知能力を活かして存在感を発揮。前半はチームとしてプレスがうまくいっていなかったなかで、中央にポジションを移した後半は2トップの下に構え、相手の2CBとダブルボランチをうまく監視しながら効果的に圧をかけ続けた。クレバーさも披露し、チームは4−0で完勝。その中で和食の働きは別格だった。
2年生エースは次戦も結果を残せるか。奇しくも29日の3回戦は滝川二(兵庫)との対戦になる。自身の地元のチームでもあり、負けるわけにはいかない。異彩を放つ背番号14の戦いはまだ始まったばかりだ。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
【画像】広瀬姉妹・ガッキー・永野芽郁! 初代から最新20代目の月島琉衣まで「選手権・歴代応援マネージャー」を一挙公開!
【画像】帝京、国見、鹿実、市船、静学、東福岡… 名門・強豪校別の「歴代ベストイレブン」を一挙紹介!
【画像】長澤まさみ、広瀬すず、今田美桜らを抑えての1位は? サカダイ選手名鑑で集計!「Jリーガーが好きな女性タレントランキング」TOP20を一挙紹介