飛躍につながるうわさは後を絶たない。だが、当面は目の前のことに専念しているという。そしてそれは、もっと上を目指しているからだ。

　ビッグクラブからの関心もうわさされる鈴木彩艶が、パルマの地元紙『Gazzetta di Parma』のインタビューで残留を強調した。イタリアでさらに磨きをかけ、世界的な守護神になりたいと話している。

　以前から関心を寄せているマンチェスター・ユナイテッドをはじめ、チェルシーやナポリ、バイエルンといった世界各国のビッグクラブから注目されている鈴木。だが、日本代表GKは「自分に関する噂がたくさんあったのは知っている」と述べた。

「でも、完全にパルマのことに集中しているよ。うまくシーズンを始められるように準備している」

　ユナイテッドやチェルシーのオファーを断ったのは本当か問われると、鈴木は「パルマがファンタスティックなオファーをくれたので、すぐに受けてこのクラブに来ようと思った」と答えている。

「去年は成長する機会があって、本当に自分の選択に満足している」
 

　来年はワールドカップイヤーだ。信頼を勝ち取り、慣れ親しんだ環境で続けるのは妥当だろう。

「（W杯は）大きな意味がある。子どものころからずっと出場するのが夢だったから、大変な名誉だ。でも、まずはパルマでうまくやることが大事だね」

　昨季はデビューシーズンながらインパクトを残し、パルマのセリエA残留に貢献した。

「最終的には残留という目標を達成できた。自分も大きく成長できたし、良いシーズンだった。準備の大事さを学んだよ。良い練習をしたときだけ、良いパフォーマンスができるのだからね」

　しかし、もうすぐ23歳と若い鈴木だけに、さらなる成長が期待される。本人も「改善すべきことはまだたくさんある」と意気込んだ。

「まずはセーブの際の足の動かし方。あと少し動ければもっとうまくボールをとるのに役立つということがある。（来季の目標は）まず失点数を減らしたい。昨季は失点が多かったからね。それが個人的な最初の目標。そしてチームとしては、ハードルを上げて、残留以上を競っていきたい」

「（手本を問われ）エデルソンが素晴らしいと思う。パスや配球がとてもうまい。視野が素晴らしいんだ。ハイボールへの飛び出しもうまい。足でアシストもできる」

　パルマは「暮らしやすい街」と話した鈴木は、「セリエAでプレーするのは好きだよ」とも述べた。

「イタリアサッカーは成長していると思う。まだ世界最高のリーグのひとつだ」

　そのイタリア・パルマでさらに活躍し、そして大きく飛躍するのが目標だ。夢を問われると、鈴木は「クラブで成功したい」と答えたうえで、こう締めくくった。

「そして長期的には世界最強のGKになりたい」

　そのポテンシャルがあることはすでに示した。２年目のイタリアでさらなる成長を果たし、W杯を経て、世界最高級の守護神となる姿が見られるのを期待したい。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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