【クラブユース選手権展望】大本命はタレント力で圧倒する鹿島ユース。ただ酷暑や悪天候で波乱の可能性も。対抗馬は?

2025年07月21日 松尾祐希

ポイントは選手層と対応力

昨年度大会を制したG大阪ユース。クラブユース選手権U-18がついに開幕する。(C)SOCCER DIGEST

 日本クラブユース選手権(U-18)大会が7月22日に幕を開ける。

 Jリーグの育成組織と街クラブが集う真夏の頂上決戦には、各地域の予選を勝ち抜いた32チームが参戦。以前は各グループ上位2チームが勝ち進むレギュレーションだったが、前回大会から上位1チームのみに変更となった。そのため、4チーム×8組のグループステージで、各組上位1チームのみがノックアウトステージに進出する。

 また、今大会から近年の酷暑やゲリラ豪雨などに対応するため、グループステージから準々決勝まで全試合同時刻キックオフとし、イレギュラーが発生した際に対応しやすい日程を組んだ。とはいえ、悪天候の影響を100パーセント回避できる保証はない。

 昨年度は群馬会場で雷雨に見舞われ、試合中断だけではなく、サスペンデット(試合を一時的に中断し、後日再開すること)するゲームも珍しくなかった。川崎フロンターレU-18とガンバ大阪ユースが対峙した決勝戦も雷雨の影響で45分1本の変則マッチとなっており、イレギュラーに対応する力も優勝を目ざすうえで大きなポイントになる。

 そうした、いくつかの変更点も踏まえつつ、今大会を占っていくと、大本命は鹿島アントラーズユースだろう。

 昨季は1年生、2年生を中心に戦い、U-18高円宮杯プレミアリーグEASTでは最終節まで優勝を争った。今季も飛び級でU-20日本代表に選出されたキャプテンのCB大川佑梧(3年)、U-17日本代表でエースを務めるFW吉田湊海(2年)といった2種登録組が攻守でチームを牽引。後者はすでにトップチームデビューを果たしており、成長が著しい。

 脇を固める人材にも事を欠かさず、191センチの大型CB元砂晏翔仁ウデンバ(2年)が覚醒中。今年4月のU-17アジアカップで自信を深め、圧巻のパフォーマンスを披露している。

 MF平島大悟、MF福岡勇和といった世代別代表歴を持つ2年生コンビも面白く、昨季からユースでプレーするFW髙木瑛人や、小笠原満男氏を父に持つMF小笠原央といった1年生の台頭も見逃せない。グループステージではジュビロ磐田U-18やジェフユナイテッド千葉U-18といったプリンスリーグ勢との対戦を控えているが、実力を発揮できれば問題なく1位で上がってくるはずだ。
 
 鹿島の対抗馬としていくつかのチームが考えられるなか、サンフレッチェ広島ユースと東京ヴェルディユースを推したい。

 前者は攻守にタレントを揃え、大崩れしない安定感も併せ持つ。注目は3−4−2−1のシャドーに入るMF小林志紋(3年)。クラブでは10番を背負うU-17日本代表のアタッカーが攻撃を司り、正確なパスやフィニッシュでチャンスに絡む。1トップのFW宗田椛生(3年)やボランチのMF野口蓮斗(2年)も力があり、守備陣もGK小川煌(3年)を中心にタフに戦える。U-18高円宮杯プレミアリーグWESTでは3位につけており、日本一は射程圏内だ。

 後者は今季からプレミアリーグEASTに11年ぶりに復帰し、尻上がりに調子を上げている。開幕3試合で2分1敗と勝点を伸ばせずにいたが、第4節の前橋育英戦(2−1)で初勝利を掴むと、前半戦を終えた時点で6勝3分2敗の3位に位置する。

 チームを束ねるのはMF仲山獅恩(3年)。戦術的な理由で本職の2列目ではなく、今季は最前線でプレーしている背番号10は決定力も抜群。ポストワークは正確で、持ち味である創造性豊かなプレーも健在だ。簡単には止められないだろう。今井健人や下吉洸平(ともに3年生)のボランチコンビも機能しており、最終ラインに入るCB渡邉春来(2年)もクレバーでインテンシティが高い。勢いは最もあるチームであり、2011年度以来の優勝も不可能ではないはずだ。

 そのほかでは、プレミアリーグWESTで首位を走るヴィッセル神戸U-18や、U-20日本代表の守護神・荒木琉偉(3年)を擁して3連覇を目ざすガンバ大阪ユースにもチャンスはある。しかし、序盤で触れたように天候に左右され、波乱があったとしてもおかしくない。あっと驚くチームの躍進も含め、今夏も若き才能たちの戦いに注目だ。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

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