奪って、奪って、奪いまくれ!“デュエル系ボランチ”田中聡&宇野禅斗コンビは中国戦で何をもたらすか【E-1】

2025年07月11日 元川悦子

スタメン11人全員入れ替えも視野

追加招集の田中。持ち前の球際の強さを発揮したい。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部/現地特派)

 7月8日のE-1初戦・香港戦を6-1で勝利し、大会連覇に向けて幸先の良い一歩を踏み出した日本代表。彼らは12日の次戦・中国戦に向けて10日から本格的にトレーニングを再開した。

 この日は古賀太陽(柏)が下肢の疲労感を訴え、ホテルで別調整となったが、それ以外の25人が参加。追加招集の田中聡(広島)と原大智(京都)も練習に初合流し、次戦に向けての戦術確認に取り組んだ。

 メディアに公開されたゲーム形式でボランチを組んだのは、田中と宇野禅斗(清水)。森保一監督は「今大会はできるだけ多くの選手を使いたい」と公言しており、次戦はスタメン11人全員入れ替えも視野に入れているため、若手コンビの先発はほぼ確実だ。

「禅斗とは今日が"初めまして"でした」と田中が言うように、彼らは年代別代表で一度も共演したことがない。それは前回のゲームでコンビを組んだ稲垣祥(名古屋)と川辺駿(広島)との大きな違いだ。

 しかも、2人は揃って"デュエル系"。田中が「禅斗は今年、すごく試合に出て、清水の中盤でボールを刈り取っている」と称賛すれば、宇野も「聡君は球際のところを売りにしている選手」とリスペクト。そんな彼らがピッチに立てば、守備強度やボール奪取力のアップが期待できる。球際でのバトルの勝利数も上がるはずだ。

「本当にJリーグでもそうですし、日本代表でもそうですけど、そういう強度の高さは今、ボランチに求められている要素の一つ。そこは自分も学びたいなと思います」と川辺も神妙な面持ちで語っていたが、中国という相手には田中&宇野のようなタイプがベターなチョイスと言えるかもしれない。
 
 7日の韓国戦を見ても、中国はファウル覚悟で相手に寄せてくる激しさを持ち合わせていた。基本布陣は3-4-2-1。結果的には0-3で苦杯を喫したものの、積極的にボールにアタックしようという意識は高かった。

「中国はすごくアグレッシブに来るチーム。ミーティングでは香港よりは前からプレスをかけてくるという情報もあった」と宇野も話していただけに、デュエル系コンビで中盤を圧倒できれば、日本はより優位に試合を運べるのではないか。

 ただ、逆に問題になるのが、攻撃の舵取りをどうするかという点。「攻撃のところは自分は比較的に苦手なんで、禅斗とコミュニケーションを取りながらやっていく必要があると思います」と田中も発言していた。

 宇野は「攻撃のところはどっちがボールに関わっていくのか、どっちが前に出ていくのかという感覚をすり合わせていかないといけない。今日、初めて一緒にトレーニングしたので、試合中に意思疎通を図って、お互いの良さを引き出しながらやれればいい」と前向きにコメントしたが、それが即興でできるかどうかが重要なポイントになってくる。

 中盤で的確にボールを配球し、起点を作れないと、日本の攻撃がノッキングしてしまいかねない。2列目で出場の可能性が高い佐藤龍之介(岡山)や中村草太(広島)らが両ボランチをサポートする動きを見せつつ、全体がスムーズに回るように仕向けていく必要もありそうだ。

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