ポグバがマンUと個人合意。ユーベも「法外な特記事項」を考慮して売却を決断か

2016年07月20日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

現時点ですでにユーベはライオラに支払い義務が生じている。

4年ぶりとなるマンチェスター・U帰還が現実的になってきたポグバ。移籍金は史上最高額を更新しそうだ。(C)Getty Images

 ポール・ポグバのマンチェスター・ユナイテッド「帰還」が、ここにきて新展開を迎えている。
 
 ポグバの代理人であるミーノ・ライオラは今週に入ってイングランド入り。マンチェスター・U側と年俸1300万ユーロ(約15億6000万円)の5年契約で合意した。
 
 さらに7月19日には、ユベントスのジュゼッペ・マロッタGDとファビオ・パラティチSD、マンチェスター・Uのエド・ウッドワードCEO、弁護士、そしてライオラの間で会談が行なわれた。
 
 マンチェスター・Uのファーストオファーは、移籍金1億100万ユーロ(約121億円)。1億2000万ユーロ(約144億円)を求めているユーベは、今後数日の間に移籍金の引き上げやパフォーマンスや結果に応じたボーナスを要求すると見られる。
 
 ライオラとユーベの間には、よく知られているように「移籍金の20%を渡す」という協定が交わされている。2012年夏、マンチェスター・Uからフリートランスファーで連れてきたときに、ライオラがユーベに呑ませた条件だ。つまり、1億100万ユーロでポグバが移籍すれば、ライオラの懐には2020万ユーロ(約24億円)が入る。
 
 しかし、実はもうひとつ見逃せない契約事項がある。ユーベが一定額を上回る正式オファーが届いたにもかかわらず拒否した場合には、同じくその額の20%をライオラに支払わなければいけないのだ。
 
 つまり、マンチェスター・Uが1億ユーロ以上の正式オファーを出した現時点において、ユーベはポグバを残すにしても売るにしても、ライオラに2020万ユーロを払う義務が生じているのだ。
 
 もちろん、これが法外な金額であることは言うまでもない。ユーベはそうまでして引き留めるよりも、手放して移籍金を手に入れるほうを選ぶ可能性が高い。つまり、ポグバのマンチェスター・U帰還は一気に加速しているということだ。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
 
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