最初は緊張した様子だった。２日前にいわきFCから横浜F・マリノスへの加入が発表された谷村海那は、７月８日に合流してトレーニングを行なった。

　人見知りだという谷村は、コーチ陣や朴一圭らに声をかけてもらいながら、チームメイトの輪に加わる。ランニングや鳥かご、ミニゲームといったメニューをこなし、最後は宮市亮とジョギングしてクールダウン。横浜FMでの初練習を終えた谷村は「チームの雰囲気が本当に良くて、入りやすかった。練習の強度も高くて、良い練習ができた」と振り返った。
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　2020年に国士舘大からいわきに加入した谷村は、同クラブで21年にJFL、22年にJ３での優勝と昇格を経験。23年はJ２で41試合・７得点。そして10番を背負った昨季は38試合・18得点を記録し、J２ベストイレブンに輝いた。今季も横浜FMに加入するまで、いわきでチームトップの８得点と攻撃を牽引。そんなストライカーの武器は、ゴール前の駆け引きだという。

「クロスを上げてもらえれば、決める自信がある。ワンタッチゴールだったり、点に絡んでチームの勝利に貢献したい」

　J１の舞台は、プロキャリアで初。谷村は「自分にとって未知なので、チャレンジャーとして、謙虚に、貪欲に。すべてのレベルが一段階上だと思うので、自分の意識を高めてやっていきたい」と気合を入れる。

　横浜FMは、エースのアンデルソン・ロペスが移籍を前提にチームを離れた。そうしたなかで大島秀夫監督は、27歳の点取り屋をCFで起用する意向を示す。「ここから10ゴールを取れるように頑張りたい」と語った谷村は、現在J１で最下位に沈むトリコロールの救世主になれるか。

取材・文●金子徹（サッカーダイジェスト編集部）

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