J1クラブが争奪戦を繰り広げる、鹿児島城西のFW大石脩斗の現在地。キーワードは“聖地国立”。高校No.1ストライカーが追い求める理想の姿

2025年07月02日 松尾祐希

「自信を持ってプロに行きたい」

鹿児島城西のFW大石。ダイナミックなプレーが魅力の点取り屋だ。写真:松尾祐希

 185センチのサイズを活かし、ダイナミックにゴール前へ入り込んでいく。競り合いにも強く、どんな体勢からでもボールを押し込む泥臭さもある。スピード、パワー、高さ。いずれも高校年代では頭ひとつ抜けており、今シーズンにおける高校No.1ストライカーは鹿児島城西のFW大石脩斗(3年)だろう。

 太陽SCから鹿児島城西の門を叩き、1年次からトップチームでプレー。その年の2023年6月のインターナショナルドリームカップで初めて世代別代表を経験し、U-16日本代表の一員として3試合で2ゴールを奪った。

 しかし、1年生の頃は鹿児島城西で絶対的な存在にはなれず、途中出場もしばしば。そうした状況下で迎えた高校2年次も春先から状態が上がらず、チームとして初参戦となったU-18高円宮杯プレミアリーグWESTでも1ゴールしか挙げられなかった。

 だが、転機が訪れる。同年11月中旬に行なわれた高校サッカー選手権予選決勝だ。神村学園を1−0で下して7年ぶりに出場権を手に入れた一戦で、大石は最終盤に決勝点を奪取。相手DFに挟まれながらも、泥臭くクロスに合わせて歓喜の瞬間をもたらした。

 直後の本大会ではコンディションが整わず、チームも1回戦負け。悔しさが残ったが、秋から冬にかけての活躍を契機に再び上昇気流に乗り、高校No.1ストライカーの地位を確立した。

 迎えた今季は、惜しくも夏のインターハイでは鹿児島県予選決勝で最大のライバル・神村学園に1−3で敗戦。全国大会行きは果たせなかったものの、多くのJ1クラブが熱視線を送る存在に変わりはない。

 夏の間に決断を下す意向を持っており、自分が最も成長できる場所を選びたいと考えている。

「自信を持ってプロに行きたい。具体的にどこに行くかは決めていないけど、これからJクラブの練習にいくつか行くので、そこで固めたいと思っています」(大石)
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 進路が決まらない一方で、プレー面はテーマを持って取り組んでおり、特に今年はゴールへのこだわりを強く持つように意識している。

「今年は得点のことしか考えていない。ずっとゴールだけを考えてプレーをしている。チームのために、献身的に守備をするのは当たり前。去年はそこをやり過ぎて、自分が点を取るという意識があまり出ていなかったから、ゴールが取れていなかったと思う。今年は(得点が少ないけど、)守備を当たり前にやったうえで、ゴールを取るためにサッカーをやりたい」

 だからこそ、大石は向上心を絶やさない。Jクラブのトレーニングは学びの場で、先輩のプレーからひとつでも多くの技術を盗もうと心がけている。J1の6クラブとJ2の1クラブの練習に参加したなかで、特に印象に残ったのが元日本代表でG大阪に籍を置くFW宇佐美貴史だ。

「宇佐美選手はめちゃくちゃ巧かった。シュートもボールタッチもすごくて、シュート練習はより試合に近い感覚で打っていた。真似をするというわけではなく、自分もそういう意識でやらないといけない。そう思える機会になりました」

 また、神戸のトレーニングでは鹿児島城西のOBであるFW大迫勇也と対面。プロサッカー選手としての心構えを説かれたことも自身の成長に繋がっている。

 貪欲な姿勢で吸収を続けるなかで、今の目標について聞かれると、大石はこんな言葉を残した。

「先のことまで考えられない。目標は国立」

 プロサッカー選手になることも、2年後のU-20ワールドカップも視野に入れているが、先のことよりも今を大事にしたいと思っている。今までもそうだった。遠い先の将来を考えるよりも目の前のことに集中する。そうやって成長を続けてきた。

 全ては国立のピッチに立つため――。そうすれば、自ずと結果もついてくる。注目を集めるストライカーは自分を信じ、己の足で未来を切り開くためにゴールを狙い続ける。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

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