「選手に指摘できなくなるのが一番の不幸」森保一監督が“パワハラ問題”について持論展開。J3高知の秋田監督休養には慎重な見解

2025年07月01日 サッカーダイジェストWeb編集部

多角的な視点の重要性を説く

森保一監督がパワハラ問題に言及した。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 日本代表の森保一監督が6月29日、J1第22節の東京ヴェルディ対川崎フロンターレの試合後に取材に応じ、パワハラ問題への見解を示した。

 J3の高知ユナイテッドSCは同日、選手・スタッフからパワーハラスメントの申し立てがあったとして、秋田豊監督の休養を発表。これについて記者から訊かれた森保監督は、自身も事実関係を把握していないと前置きしたうえで、「決定事項じゃないので、そこは慎重に考えて発言をしなければいけないと思います」と慎重に言葉を選んだ。

 そのうえで、「自身も気を付けないといけない」としつつ、指導現場におけるハラスメント問題について、一般論として持論を展開。「いわゆる組織の、チームのリーダーと言われる方々が情熱を持って、強く言っていることが、受け取り側の受け取り方で、それがハラスメントだと。その声を上げた人たちが被害者で、指導者や先生、上司と言われる方々が加害者になることの、今はどちらかというと声を上げた側が被害者になって、指摘された側が加害者になることが多いですけど、本当にそうかどうかというのは分からない事例もあると思います」と、一方的な見方への危惧を示した。

 続けて、「そこは、より第三者の方々が、さらに上におられる方々が評価をしてくださることがあるといいなとは思います」と客観的な判断の必要性を訴え、少数の意見を尊重する一方で、「その1人のためにひょっとしたら大勢の人が逆に、割りに合わない活動停止や、自分たちも好きなことができなくなるということが起こっていることも、もしかしたらあり得るかもしれない」と、多角的な視点の重要性を説いた。
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 指導者が萎縮し、適切な指導ができなくなる状況を最も憂慮しているという。「あまりにも指導者が指摘することが、受け取り側の受け取り方で弱い立場になって指導できなくなる、指摘できなくなるっていうのが一番、実は選手や生徒たちにとって不幸なことが起こるということもあり得る」と述べ、「何よりも選手が成長するために、的確に指摘ができなくなるっていうのは、一番の不幸だと思います」と、指導の機会損失が選手の成長を妨げる可能性に警鐘を鳴らした。

 また、メディアに対しても「声を上げた側の方々が正義で、加害者、被害者を作り上げるということも、ひょっとしたらスタートの時点で出来上がってしまうこともあると思いますので、是非、正しいことを報道していただければなと思います」と要望した。

 自身の現役時代を「殴る蹴るは当たり前の時代。指導者に血を流してでも、骨折しても戦え、相手を潰せと言われてやってきた」と振り返りながら、「その言葉があったとしても、『より強く行け』という意味合いで言われているのを、言葉だけで受け取ってしまって、『いけないことだ』ではなくて、自分の中で噛み砕いて、パフォーマンスの向上につなげていくということの能力も求められるかもしれない」と、言葉の真意を汲み取る側の解釈力も必要ではないかと見解。そして、この問題が「考えるきっかけになればいいかなとは思っています」と締めくくった。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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