珍しく執拗に食い下がっていた。横浜FCのンドカ・ボニフェイスのことだ。

　６月28日に行なわれたJ１第22節のFC東京戦。１－１で迎えた90＋11分、自陣ボックス内に進入してきた長倉幹樹にンドカが対応すると、相手が倒れる格好に。ファウルの判定でPKを森重真人に決められ、横浜FCは１－２で敗れた。

　痛恨のPK献上。主審に対し、ンドカは両手を振って「違う、違う」というようにアピールし、説明を求めた。両者の間でどんなやり取りがあったのか。それを話したところで結果が変わるわけでもなく、それはンドカも十分に承知しているが、29歳のDFは教えてくれた。

「何が原因でPKになったかを聞きましたけど、納得はできませんでした。押した？ 押してないですし、足もかかってないです。だから、何が原因かは正直、分からない。映像で見ると、確かにかかっているようには見えますけど」

　少なからず不満が残るジャッジだったはず。それでもンドカは「もう終わったことなんで」とぴしゃり。意識は次の戦いに向けられている。

　次節は７月５日に、ホームのニッパツ三ツ沢球技場で横浜F・マリノスを迎え撃つ。J１で横浜FCは18位で、相手は最下位。残留のためにも絶対に勝利を手にしたい"横浜ダービー"に臨む。

　ンドカも奮い立つ。

「ダービーは絶対に負けちゃいけない、本当に熱い戦いになると思う。一昨年のダービーも三ツ沢で勝ったし、あれもすごく熱いゲームになった。今の順位とか、残留とかそういうのもあるけど、まず１試合のエンターテインメントとして、しっかり横浜は"横浜FCだ"っていうのを見せないといけない試合だと思います」
【画像】小野伸二や中村憲剛らレジェンドたちが選定した「J歴代ベスト11」を一挙公開！

　横浜高島屋の屋外壁面には、横浜ダービーを告知するメガ広告が登場。６月29日に同店舗で行なわれた選手握手会にンドカも参加し、駒井善成やマスコットのフリ丸と共にファン・サポーターと触れ合った。

「すごく熱いメッセージだったり、熱い想いを直接、聞けました。本当に自分たちはこの試合に勝たないといけない、残留しないといけないってより強く思ったので、その使命を果たしたい」

　横浜FCは現在、リーグで４連敗を含む５戦未勝利。苦戦が続くが「まだ終わったわけではない」とンドカは気持ちを引き締める。

「簡単に行くとは思っていないし、この状況で何ができるかを、選手一人ひとりが、勝つために何ができるか、それを考えて行動するしかない」

　反転攻勢の夏へ。ダービーをその足がかりとしたい。前線のブラジル人トリオなど、個で試合を決められるタレントが揃う横浜FMに対し、「自分たちはしっかりと組織でやりつつ、アグレッシブな姿勢を出す」と意気込むンドカ。「ただ、試合の流れのなかで、勝つための判断を自分はより責任を持ってしないといけないし、そのなかでもまずはアグレッシブに、それで相手より多く得点を取って、勝点３を取る」と必勝を誓った。

取材・文●広島由寛（サッカーダイジェストWeb編集部）

【画像】美女がずらり!! 真野恵里菜、平愛梨、高梨臨…新旧日本代表を支える"タレント&モデルの妻たち"

【画像】長澤まさみ、広瀬すず、今田美桜らを抑えての１位は？ サカダイ選手名鑑で集計！「Jリーガーが好きな女性タレントランキング」TOP20を一挙紹介

【記事】「大谷翔平って何であんなに凄いの？」中村俊輔の素朴な疑問。指導者としてスーパースター育成にも思考を巡らせる