監督交代に揺れた新潟は新体制初陣で川崎に敗戦。それでも監督、選手が前向きな言葉を残したワケは?

2025年06月26日 本田健介(サッカーダイジェスト)

サポーターからの後押しも

新体制での初陣は川崎に1-3で敗戦。新潟はこの悔しさをどう活かすか。写真:鈴木颯太朗

[J1第15節]川崎 3-1 新潟/6月25日/Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu

 6月23日に樹森大介監督との契約解除、そして後任に入江徹コーチが就任することを発表していた新潟だが、新体制の初陣となったアウェーでの川崎戦は前半にセットプレーから2失点するなど1-3で敗れた。

 それでも後半アディショナルタイムに奥村仁のゴールで一矢報いたなか、課題とともに前向きな面にも目を向けたのが入江新監督だ。

「前回の福岡戦から中3日というなかで、まずしっかり前回の反省を活かして、自分たちのもう一回やらなければいけないところを修正して臨みましたが、ちょっと同じようなエラーのところから相手にフリーキックを与えて失点してしまったり修正がまだまだできていなかったのは、僕自身もまだまだ甘かったなと感じています。

 前半はボールを持っていたようで持たされているような感じもあったと思いますが、後半はもう少し自分たちで動かしながら前の意識を強めるところをハーフタイムで修正して臨み、少しずつですが前の意識が出始め、あとは選手交代なども含めて前への勢いというものが出てきて、チャンスも作れたなかで、最終的になかなか点を取ることができなく、最後の最後(に1点を返す)という形でした。あとはそこの決め切るところ、また最初から前への意識を強めたなかで、どう相手を見たなかでサッカーができるかというところが今後の課題かなと感じています。

 自分たちがしっかり自信を持って前を向いてサッカーをしようというところは、今日の後半は特にすごく手応えを掴んでくれたのかなと感じています。まずそこを第一に考えながら、次の町田戦に向けて、最後の決定力の部分だったり、そこからまた中央というところからどうサイドを上手く使っていくか。次の町田さんもやっぱりすごく一人ひとりの能力が高いですし、チームとしてもパワーがあるサッカーをしてくるので、そこをどう自分たちが崩せるか、そのためにどういう手法が必要なのかというのを考えながらやっていきたいです」

 また4-4-2のサイドハーフで先発したFW谷口海斗も黒星に悔しさを示しつつ、ポジティブな言葉も残した。

「変わらず今までやってきた自分たちが主導権を握ってボールを回すところで、持てているところもあったので、あとはバイタルでの質であったり、ゴール前の最後の質でもあったり、もうひと工夫もそうですし、決め切るところまでやれれば結果は変わってくると思います。

 監督が変わりましたが、今までやってきたことはあまり変わらず一緒にやってきた方でもあるので、そこは戸惑うところもないですし、連戦なので、切り替えて次の町田に向けて自分たちのコンディションを上げて、練習の質を高めてやっていきたいです」

【動画】新潟・奥村のゴール
 またキャプテンマークを巻いた堀米悠斗も「見ている人がどう感じたか、そこなのかなと思います」と話しつつ、こう続けた。

「自分たちは気持ちっていう部分では、またここからやってやろうという気持ちを持って臨んだゲームだったので、結果は残念でしたが、一定の手応えと言いますか、向かうべき方向性はより明確になったかなと思います」

 そして課題と収穫も口にした。

「僕自身は割とそういう風(ポジティブ)に捉えています。全員がそうではないと思いますし、やっぱり勝てなかったら意味がないと言う選手もいると思いますが、キャプテンとしてチームを引っ張っていく立場としては、良かった部分をしっかり認め、継続するしかないと思います。今日できたことはしっかり続けようよと。

 足りないところは両ゴール前の質。守備だったらシュートをしっかりブロックしなくてはいけないし、攻撃の選手は似たようなボールを何度か中に通すところまではいっていたので、落とすのか、自分でトラップして前を向くのか、その質にこだわらなくてはいけないと思います。サイドの選手はその回数を増やす。

(短い準備期間は)イリさん(入江監督)のやりたいサッカーを探りながらでしたが、一番強調していたのはメンタル的な部分。闘う姿勢。短い時間だったので、かなりそこに熱を入れてくれた感じがあったので、それだけで大きく変わる部分はあると思いますし、もちろんそれだけじゃないよと言っていましたが、長くサッカーをやっていると戦術的な部分に目が向きがちになってしまいますが、もう一度そこを取り戻せたのはチームとして大きいかなと感じます」

 ビハインドで迎えた後半の飲水タイムや、試合後には新潟サポーターから盛大な後押しの声も飛んだ。

 谷口は「本当にいつも通りと言いますか、熱い声援をもらっているので、自分たちはピッチで結果で恩返しではないですが、結果で見せるしかないと思います」と語り、堀米も決意を示した。

「こういう状況で平日にこれだけ駆けつけてくれたことに感謝しかないですし、負けたにもかかわらずブーイングは一切なく、後押してくれている、自分たちに寄り添ってくれているという、メッセージを本当に強く感じたので、なんとか応えないといけないですし、それは次のホームでないといけないと思っています」

 試合後に堀米は呼びかけたという。

「今日の夜の過ごし方から、次の試合に向けて切り替えようと。いつもは言わないですが、そう話しました」

 21試合を戦って4勝7分10敗(勝点19)で降格圏の18位に沈む。ここから巻き返せるか。新潟が川崎戦をどう活かすかは注目だ。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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