称賛されるべき大卒5人目の偉業。川崎FW小林悠が打ち立てた記録の凄み

2025年06月26日 本田健介(サッカーダイジェスト)

若手ふたりのゴールにも刺激

新潟戦で途中出場を果たした小林。節目となる日を迎えた。写真:鈴木颯太朗

[J1第15節]川崎 3-1 新潟/6月25日/Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu

 川崎が新潟をホームで3-1で下した一戦、偉大な記録を打ち立てのは68分に投入された川崎のFW小林悠だ。

 小林が辿り着いたのは史上35人目となるJ1通算400試合出場。大卒選手としては尊敬する中村憲剛らに続く5人目の記録だという。

 拓殖大から2010年に川崎に入団して16年目、コツコツ歩んできた。

「ひとつのクラブでずっとこれだけ長くプレーできているので、それはすごく嬉しく思います。本当にプロ入った時から大きな怪我からスタートして、そのあとも何度も怪我が多かったんですが、自分なりに試行錯誤して、どうやったら長くプレーできるかっていうことを考えながらやってきたサッカー人生かなと思います。苦しかったですけど、それもメンタルが強くなった要因だと思いますし、いつも前を向いてやってこれたのが、この400試合につながっているのかなと感じます」

 ここまで積み重ねてきた成績は400試合・143得点。

 2020年にはジュニーニョに代わりJ1でのクラブ最多得点者となり、昨季は憧れの"カズさん超え"となるJ1通算140得点目をマーク。先日は「J1リーグにおける途中出場選手の最多得点数」でギネス世界記録に認定された。

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 37歳のストライカーは身体はボロボロとよく苦笑いを浮かべる。それでもピッチに立てば、誰よりもギラギラ感を放つストライカーへと変貌する。トレーニングでも常にレギュラーを奪おうと毎日、全力勝負だ。そんな背中は、すべての選手の指標となる。

 その姿に、観ている者たちは心を動かされ、想いを乗せたくなる、まさに稀有な選手とも言えるだろう。
 
 奇しくもこの新潟戦では18歳差となる19歳FW神田奏真が先発し、貴重な追加点を奪い、途中出場の20歳のMF大関友翔もダメ押しの3点目をもたらした。彼らの活躍を喜びつつ、小林は刺激を受ける。

 俺だってーー。

 偉大な記録はまだまだ続いて欲しい。そのプレーをまだ見ていたい。またゴールをでスタジアムを沸かせてほしい。多くの人がそんな願いを抱えているに違いない。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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