J1目指す仙台を支えるGKチーム。ビッグセーブ連発の林彰洋も称賛する全員の献身性と触発される関係性

2025年06月23日 本田健介(サッカーダイジェスト)

甲府戦は0-0ながら勝点1を手にする

甲府戦でも好セーブを見せた林(写真左)とベンチで戦況を見守った梅田(写真右)。ともに欠かせない存在だ。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

[J2第20節]仙台 0-0 甲府/6月22日/ユアテックスタジアム仙台

 仙台にとっては勝てば自動昇格圏の2位に浮上できるチャンス。さらに芝の張り替え作業などを行なっていた本拠地ユアテックスタジアム仙台での今季初ゲームとあって、甲府戦は是が非でも勝ちたい一戦であった。しかし、果敢に攻めるも、0-0のスコアレスドロー。勝点1を手にする結果となった。

 もっとも首位の水戸とは勝点4差の4位。悲願のJ1復帰へ貴重な勝点1とも呼ぶことができ、何より相手にもチャンスを与えたなかで、無失点に抑えたことも収穫と言える。

 ピンチにおいてはユアスタの大声援を受けた選手たちが、魂のこもった守備で身体を張ったが、特に守護神の林彰洋の数度のビッグセーブがなければ、失点していてもおかしくない展開であった。

 試合前にはJ通算350試合出場を祝福された38歳は、冷静な対応を示すだけでなく、周囲へのコーチングでも存在感を放った。

【動画】仙台×甲府のハイライト
 
 一方、林がピッチで輝くなか、もうひとり、チームのために働き続ける男がスタジアムにはいた。セカンドGKとして控えていた24歳の梅田陸空だ。

 梅田はアクシデントに備えて準備をし続けるだけでなく、ハーフタイムに戻ってきた味方たちにベンチ前で熱く声をかけ、後半も交代出場する選手を激励し、交代で戻って来た選手をいの一番で迎える。その献身性はチームの支えになっていることがよく感じられる、心を打つ姿であった。

 林も現在の仙台の"GKチーム"を称賛する。

「僕以外の3人(梅田とともに堀田大暉、松澤香輝が所属)が献身性を含めてですけど、向上心ある選手たちなので、僕も淡々とやっている部分と同時に触発されると言いますか、そういう部分は強く感じています。

 僕も仙台に来てキーパーコーチ(現在は植田元輝)に成長させてもらった面が相当あると感じていますし、いろんな部分の解釈をクリアにする面もそうですし、今までの持っていた技術に違うエキスを入れることができているのは、周りの選手と吟味しながら話をすることができているからこそです。そういう面が今のこのチームの良さだと思います。

 だからこそ、今後もキーパーチームとして率先して勝点を取れるような状況を作っていきたいですし、常にミーティングもしているので、僕らの強みとして作りあげていきたいです」

 仙台は次戦はアウェーで6位の磐田と対戦するなど、厳しい戦いに臨むが、ピンチの時こそ守護神の姿がそこにはあるはずで、一致団結した戦いの裏には、GKチームの存在もあるに違いない。今のチームの雰囲気の良さをそんなところからも感じた。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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