「別に仲良くなる気もない」「コイツらにどう思われてもいい」──。欧州挑戦で彼が選んだのは、"孤立を恐れない覚悟"だった。文化の違いに戸惑いながらも、自分を貫いた日々。本人が語る、Jリーグとの決定的な違いとは？

　オランダのNECナイメヘン在籍で日本代表としても活躍するストライカーの小川航基。渡欧して約２年が経つが、2023年の移籍当初、異国のピッチで抱いた感想は「別競技」だった。

「縦に速くて、ピンチもチャンスも多い。（Jリーグとは）全然違います。ミスを恐れずにどんどん前へチャレンジしますしね」

　海外の選手は自分のミスを認めないと聞くが、本当にそうなのだろうか。小川は笑いながら「そうです」と答えた。

「自分のミスをそうじゃないように見せるのがめちゃくちゃ上手いです。パスを出して繋がらなかったら、まるで受け手のミスのようにジェスチャーしてくるので、僕も（手を挙げる）ジェスチャーで対抗します（笑）」
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　やられたらやり返す。小川は移籍当初からそうしたスタンスで戦っているそうだ。その根底には「コイツら（外国人選手）にどう思われてもいい」との考えがある。

「『別に仲良くなる気もないし』みたいな感じでやっていました。日本では仲の良い選手と争ったあとに気まずくなるケースがありますが、外国人選手が相手だとそれが全然ない。なので、移籍当初は自分のことしか考えていませんでした」

　オランダリーグはステップアップリーグであり、チームワークよりも個人が重視される。そうした環境で小川はリーグ戦で23−24シーズンに11ゴール、昨季に７得点とまずまず結果を出しているが、「充実感はまるでない」という。

「昨季は怪我もあって、半年間くらい復帰してはアウトを繰り返していたので、その難しさを痛感しました」

　その経験もまた小川が欧州という戦場で生き抜くうえでエネルギーになる。「５大リーグに行きたい」との目標を叶えられるか。ここからの活躍により注目したい。

構成●サッカーダイジェストTV編集部

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