“2つの自滅”が致命傷に…。浦和レッズ、南米の強豪リーベルに善戦も勝点0が現実【クラブW杯】

2025年06月18日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

松尾とグスタフソンの奮闘は光ったが

リーベル戦でノーゴールに終わった渡邊。(C)Getty Images

 現地時間2025年6月17日、浦和レッズがクラブ・ワールドカップのグループリーグ初戦でアルゼンチンの強豪リーベル・プレートと対戦。致命傷となったのは守備の綻びだろう。格上相手に通用した部分もあるなか、結果は敗戦。"2つの自滅"に映ったプレーとは?

 立ち上がりの浦和はサイドを有効活用するリーベルに押し込まれ、息もできないような展開になった。時折カウンターでチャンスを作りそうになるものの、リーベルの高い個人技とスピーディなパスワークについていけず、12分、左サイドからのアクーニャのクロスに合わせたコリディオのヘッドで先制されてしまった。

 早い段階での失点で意気消沈するかと思いきや、浦和は時間の経過とともに動きが良くなった。CBコンビのD・ボザとホイブラーテンが身体を張って敵の攻撃を跳ね返せば、ボランチのグスタフソンが巧みにボールを散らし、FWの松尾が持ち前のスピードを利して仕掛けるなどして、試合の流れを引き寄せたのだ。得点こそ奪えなかったが、30分過ぎからの闘いぶりは評価できた。

 なかでも目を見張ったのはグスタフソンのパフォーマンス。中盤でボールに絡みつつ、ゴール前にも顔を出す。さらにタイトな守備でピンチの芽を摘み取るスウェーデン人MFの貢献度は計り知れなかった。
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 しかし、後半の入りも悪くなかった流れで浦和は痛恨の2失点目を喫する。48分、ホイブラーテンのバックヘッド(GK西川にパス)を読んでいたドルシに頭で流し込まれてしまったのだ。ホイブラーテンの判断ミスに目が行きがちだが、その前のヘッドでの中途半端なクリアが守備崩壊の元凶(いわゆる自滅)だったように映る。

 58分に松尾のPKで1−2として以降、浦和はボールの支配率を高めるも73分にアクーニャのCKに反応したメサのヘッドで3点目を奪われた。2失点目と同じく、その前のD・ボザの中途半端なプレーがCKを取られるきっかけとなり、いわば"自滅"だった。

 結局、浦和は1−3で敗戦。松尾、グスタフソンの奮闘は光ったものの、リーベルの巧みな試合運びにやられた印象もある。何より結果が重視される今大会で内容は二の次。善戦したとはいえ、勝点0が紛れもない現実だ。

 決めるべきところで決めたリーベルとそうではなかった浦和。エリア内での質、決定力の差が勝負を分けた一戦でもあった。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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