「やっぱり行ってみないと分からない」「あっ、俺って…」35歳のルーキー水沼宏太のとにかく刺激的な海外初挑戦。リーグに満ちる「これから」

2025年06月16日 有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

「入ってみて、その肌感覚で自分がどれだけできるか」

熱い男、水沼。オーストラリアでも抜群の存在感を発揮している。(C)Getty Images

 水沼宏太は2025年1月、横浜F・マリノスからオーストラリアのニューカッスル・ジェッツに移籍した。35歳になる直前、プロ18年目にして初の海外挑戦だった。

 元日本代表MF水沼貴史氏の長男である水沼は、父が偉大な足跡を残したマリノスでプロキャリアをスタート。それ以来、栃木SC、サガン鳥栖、FC東京、セレッソ大阪と渡り歩き、2020年から再びトリコロールを着て戦っていた。

 母国を離れ、異国で何を感じたのか。海外での1シーズン目を終えた今、さすらいの元気印にじっくり話を訊いた(第3回/全7回)。

【#1】急にではない。ずっとあった。水沼宏太が詳細に明かした豪州移籍の背景「やっと来たな」「ルーマニアでの経験を基にとにかく――」

【#2】「今までここまで苦しんだ経験はない」信じ難いマリノスの大苦戦。水沼宏太はどう見ているのか。豪州から加勢「ガーガー言うよりも…」

――◆――◆――
 
 レジェンドを父に持ち、自身も日本サッカー界で知られた存在である水沼宏太は、刺激を欲していた。だからこそ、裸一貫で海外へ飛び込み、30代中盤にしてルーキーになった。

「やっぱり行ってみないと分からないことがたくさんあったし、それを自分の経験としてゲットしたくて行ったところもあるので、間違いなくそれは良かったなと思っています。『知らないところに飛び込んで自分はどうなる』ってところも含めて、すごく楽しめました。違う視点から『あっ、俺ってまだまだ成長できるんだな』とか、どんどんワクワクに進んでいければ、色んなことが見えてくるんだなとか。すごく楽しかった印象があります。

 とにかく、『行って自分が感じたものをやろう』と思っていました。そもそも最初の試合までに情報を入れる時間がなく、チームメイトの名前も覚えきれていないなかで1試合目が始まったので。『入ってみて、その肌感覚で自分がどれだけできるか』ってところでした」

 ニューカッスルは「すごく若いチーム」で、空気感が日本と比べて極めてフレンドリーだという。

「チームメイトは『コウタ』って呼んでくれています。日本だと1人すごい年上がいたら持ち上げられるというか、ちょっと距離を感じるような行動が多かったりするけど、全くそういうのがないです。普通に若いやつらに肩を組まれるし、頭パンみたいな感じでツッコまれたりするので、新鮮で、嬉しかったですね。楽しいし、年齢関係なく、とにかく『チームメイト、仲間なんだ』って気持ちがすごく伝わってきたので、そこはオーストラリアの文化として良かったなと感じました」

【画像】美女がずらり!! 真野恵里菜、平愛梨、高梨臨…新旧日本代表を支える"タレント&モデルの妻たち"

次ページ豪州リーグの特徴は?「見ていて面白いリーグかな」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事