【磐田】途中交代の小林祐希が自らとチームの出来にダメ出し。「もっとチームを楽にさせられないと」「相手の思う壺」

2016年07月14日 橋本啓(サッカーダイジェスト)

「勝点2を失ったってことは、『勝てたよね』ってこと。そこはポジティブに捉えていきたい」

トップ下で先発するも、見せ場を作れなかった小林(4番)。試合後は、自らとチームに対する反省の言葉が並んだ。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[J1第2ステージ3節]甲府0-0磐田/7月13日/中銀スタ
 
 第2ステージ初勝利を狙った磐田だったが、「前半のクオリティ、ボールを動かすことは悪くないが、チャレンジすることは少なかった」と名波浩監督が言うように、ボールを支配したものの甲府の堅守を崩せず、シュート12本は空砲に終わった。
 
 トップ下で先発した小林祐希は、サイドや中盤の底にまで顔を出しながら、味方からパスを呼び込み攻撃の構築に関与。ゴール前の限られたスペースで、味方との細かいパス交換から打開を図るも、目立った見せ場を作れないまま後半途中で交代を告げられた。
 
 自らのパフォーマンスには、当然納得するはずもなく、試合後は次々と反省の弁がこぼれた。
 
「トップ下にいる以上、ミスすべきところでない場面でミスはしたくない。どんなかっこいい得点、スルーパスよりもあいつがボールを持ったらミスしない、一回溜めてくれるとか、時間を止めてくれるっていう選手のほうがチームの安心感は大きいと思う。ただ、個人的にはそこがちょっと足りていない。
 
「個人的にモヤモヤしているのは、ゴールが取れていない、アシストできていないと言うよりはそこなので、もうちょっとチームを楽にするプレーを練習からしっかりやっていきたい。普段やっているつもりだけど、さらに意識して」
 
 加えて、圧倒的に主導権を握りながら勝てなかったチームに対してはこう苦言を呈した。
 
「甲府の選手は常に選手同士が話し合いながらやっていたし、割り切ったサッカーをしていた。そのサッカーに対して、勝点2を失った。向こうの思う壺だったかなと思うので残念です」
 
 チームとして意図する形は出ていた。ただ、結果的に「0点」に抑えられた部分は反省すべきだと、小林は強く感じている。もっとも、だからと言ってこの日の出来を悲観的に捉えているわけではない。
 
「J1で攻めて勝てなかった、守って勝てなかったわけじゃない。これを悪い状況だと思いすぎないことが大事だと思います」「攻められまくって、なにもできなくて終わったんじゃない。勝点2を失ったってことは、『勝てたよね』ってこと。そこはポジティブに捉えていかないと。俺は全然下を向いていない。もちろん反省もするけど、次の試合でなにができるかのほうが大事なので切替えたい」
 
 次節は、第2ステージ、さらには、年間順位でも首位に立つ川崎を迎えてのホーム戦。はるかにレベルが上がる相手にどこまで本領発揮できるのか。小林はもちろん、チームのパフォーマンへの真価が問われる。
 
 
取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事