「また届かないか」開きかけたプレミアへの扉――坂元達裕が今、思うこと。ランパード監督も認める28歳が欧州で躍動する理由が垣間見えた

2025年06月14日 有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

選手権とルヴァン杯の決勝、負けたらベルギー2部降格の試合、そして…

坂元達裕がプレミア昇格PO準決勝敗退で終わった2024-25シーズンを振り返った。写真:福富倖希

 1996年10月生まれで東京都東村山市出身の坂元達裕は、FC東京ジュニアユース、前橋育英高校、東洋大学を経て、2019年にJ2のモンテディオ山形でプロデビュー。その2年後にJ1のセレッソ大阪に活躍の場を移すと、日本代表入りも果たした。

 1歩1歩階段を上がるなか、2022年1月にベルギー1部オーステンデヘ移籍。そして2023年7月からイングランド2部コベントリーでプレーしている。

 海外での4シーズン目を終えた28歳の胸中に迫った(第1回/全6回)。

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 延長後半アディショナルタイム3分――コベントリーは痛恨の失点。今季のプレミアリーグ昇格プレーオフ準決勝で敗退となった。一方、自分たちを破ったサンダーランドは、決勝のシェフィールド・ユナイテッド戦も制し、世界最高峰のリーグへの扉を開いた。

 フランク・ランパード監督から厚い信頼を寄せられ、準決勝の第1戦も第2戦もフル出場した坂元は、こう思ったという。

「今までも、決勝と言いますか、大きなものが懸かった試合は何度か経験していて、それを直前で逃してきました。率直に、あの失点をした時は『また届かないか』って気持ちがまず1番でしたね。第1戦、第2戦を通して僕らが主導権を握っていましたし、僕らのやりたいサッカーができていたので、もちろん自信はありました。PKになっても勝てる自信がありました。そう思っていたなかでの失点だったので、がっかり以外のものはないです。

 高校の選手権決勝やルヴァンカップ決勝で敗れて、ベルギーでもこれを負けたら2部降格の試合で負けたりしているので。もちろん、それ以上に掴んできた大きな結果もありますが、やっぱり僕の中ではそういう直前で逃した試合のイメージはすごく大きく残っています。『またそれが加わった』って言い方はあれですけど...またそういう経験の中での感情でした」
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 もっとも、プレーオフでの自身のパフォーマンスには、ある手応えを感じている。

「2試合を通して良かったと思いますし、チャンスも作れていました。あと1歩でゴールも、ゴールに繋がるプレーもあったので、個人のプレーとしては良かったと思うんですけど...本当勝つのが全てなので。最悪、僕が出なくても勝てばいいし、自分のパフォーマンスよりもチームの結果を優先したい試合だったので、それが叶わず悔しい思いの方が強いです」

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