神戸戦で無念のシュート0本。「もっと貪欲に行っても良かった」と悔しがる細谷真大は、久々の森保Jで鬱憤を晴らせるか

2025年06月01日 元川悦子

「まずは試合に出ることを目標に」

9か月ぶりに代表招集の細谷。期待に応える活躍を見せたい。写真:永島裕基

[J1第19節]柏 1-3 神戸/5月31日/三協フロンテア柏スタジアム

 リカルド・ロドリゲス監督を擁する新体制で序盤から上位を走ってきた柏レイソル。今季のJ1折り返し地点となる5月31日の第19節は、2023・24年王者のヴィッセル神戸をホームの三協フロンテアスタジアム柏に迎えた。

「神戸として日立台で勝てていないというのはあった」と相手の中盤の要・扇原貴宏も話したが、柏にしてみれば優位な状況下での戦いになるはずだった。

 しかしながら、雨と強風に見舞われたこの日は序盤から思い通りのゲーム運びができない。3試合連続で先発した1トップの細谷真大も、キックオフ直後にマテウス・トゥーレルに激しいチャージを受けるなど、強度を前面に押し出す敵に苦戦を強いられた。

 チームとしてもボランチ熊坂光希の出場停止もあって、普段通りのボール回しができず、前線にもなかなかパスを供給できない。悪い流れに歯止めをかけられないまま、18分には左CKの流れからM・トゥーレルに先制点を奪われてしまった。

 そこで奮起したのが原田亘。26分に同点ゴールをゲットし、柏はそこから一気にギアを上げたかった。だが、前半終了間際に扇原に直接FK弾を決められる。ビハインドを背負った状態で、後半へと突入することになった。

 ロドリゲス監督はこのタイミングで垣田裕暉を投入。細谷との2トップに舵を切る。前線に厚みをもたらす算段だったが、効果は限定的で、決定機演出には至らない。結局、細谷はシュート0本のまま、66分に交代。終了間際に佐々木大樹に3点目を追加され、1-3の敗戦をベンチから見守ることになったのだ。

「前半は向かい風もあってボールがあまり来なかったので、チャンスを多く作れなかったですね。監督からは『背後に抜け出してほしい』と言われていたけど、それができなかったところは、ちょっと悔いが残ります。もっとできることがあったし、圧をかけられた。チーム全体としてももっとゴールに貪欲に行っても良かったと思います」と、本人も悔しさを滲ませた。
 
 今季の細谷はここまでの19試合中で18試合に出ているが、スタメンは8試合のみ。その約半分が垣田や木下康介との2トップでの出場で、1トップで出る機会は少なかった。それでも、4月末以降は復調。直近6戦3得点と結果がついてきて、指揮官の信頼も厚くなっていた。

 それだけに、日本代表の6月シリーズを前に得点を奪いたかったところ。それが叶わず、消化不良だったに違いないが、9か月ぶりに招集された代表という舞台で鬱憤を晴らすしかない。

「(2026年北中米ワールドカップの)出場が決まっているので、初めての選手が多いなかでチャンスが巡ってきた感じなので、まずは試合に出ることを目標にしたい。しっかり爪痕を残して、その後のE-1にもうまくつなげられたらいいと思います」と、2024年アジアカップのイラン戦以来の出場に闘志を燃やしている。

 今季の柏で絶対的なレギュラーに君臨していない細谷が招集されたのは、「2024年パリ五輪で見せたような輝きをもう一度、示してほしい」という森保一監督の強い願いがあってのことだろう。実際、今回は26人中13人がパリ世代。本大会に参戦したメンバーが細谷を含めて6人も名を連ねているのだ。

「(パリ五輪のメンバーがいることで)もちろん、やりやすさもありますし、彼らは自分のプレーを理解してくれている。長い間プレーした仲間と再会できるという意味でも嬉しいことですね。

(三戸舜介ら)欧州組の活躍はSNSでしか情報を得てないですけど、『結果を残してるな』と感じていたので、再会して、刺激し合えればいいと思います」と細谷も目を輝かせた。その相乗効果に指揮官が期待する部分もあるだろう。

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