先制点につながるビッグプレー。アグレッシブな守備が光った伊藤槙人は連動性を強調「後ろを気にせず、前に強く行けた」【横浜FC】

2025年05月29日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「もう1段階、2段階、上げていきたい」

横浜FCの守備を支える伊藤。「身体のフィーリングは良いけど、無失点が続くまでは納得しちゃいけない」。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 鈴木武蔵のフィニッシュも素晴らしかったが、それと同じぐらいに価値のあるビッグプレーだった。

 横浜FCは5月25日に開催されたJ1第18節で、柏レイソルとホームで対戦。19分に鈴木が先制点を挙げたが、32分に細谷真大の得点で追いつかれる。試合は1-1の引き分けに終わった。

 鈴木の得点場面。背番号7は敵陣ボックス手前で相手のパスをカットすると、カットインして左足を振る。正確にコントロールされたボールがゴール左下に吸い込まれた。

 この直前のプレーで効果的な働きを見せたのが、3バック右の伊藤槙人だ。味方のロングパスを受けようとした垣田裕暉に高い位置で素早く対応。そこでこぼれたボールを回収した熊坂光希にもすかさず詰め寄る。

 熊坂は後ろを向いてバックパス。そこに鈴木がプレスをかけてボールを奪い、シュートに持ち込んだのだ。

 決定機を作り出した伊藤のアグレッシブなディフェンス。このシーンについて本人に訊けば、伊藤は自身のプレーよりも周囲との関係性を強調した。

「(相手の)フォワードに入った時もユーリ(・ララ)が挟んでくれたり。あの後、武蔵ももう1回、守備をしている。高い位置で全員が連動して守備をすると、ああいうシーンが増えてくる」

 3バック中央のンドカ・ボニフェイス、左の山﨑浩介との連係にも不安はない。

「ボニは『後ろは気にしないで』といつも言っていて。そこで潰してくれてと。僕は後ろを気にせず、前に強く行ける。あの時、ヤマも絶対に絞っているだろうし。そういう連動や日頃の積み重ねがすごく大きい」

 また熊坂への"寄せ"に関しては、「展開させたくなかった。プレスで人数をかけているぶん、逆にボールを持っていかれたらピンチになる。絶対にあそこは潰そうという意識はありました」と振り返る。
【動画】伊藤の効果的な守備→武蔵が鮮やかフィニッシュ!
 良い攻撃につながる良い守備。一時期は複数失点が続く時期もあったが、ここ最近はクリーンシートで終えるゲームもあり、安定感を取り戻しつつある。

 伊藤も少なからず手応えを感じているようだが、「それでも失点はしている。やっぱりゼロに、無失点に抑えないと納得できる守備はしていないので。まだまだ改善できる余地はある」と気を引き締める。

「選手間の連係だったり、守備のところはできていると思います。でもここで満足したら...順位はまだまだ降格圏内だし、もう1段階、2段階、上げていきたい」

 18試合を終え、5勝4分け9敗の勝点19で18位の横浜FC。シーズン前半戦の最後となる次節は6月1日、敵地で浦和レッズと対戦する。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

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