G大阪との一戦は2-2
浦和戦に続いてG大阪戦もホームでドローだった川崎。ここからさらに調子を上げられるか。(C)SOCCER DIGEST
[J1第18節]川崎 2-2 G大阪/5月25日/Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu
リーグの覇権奪回を目標に掲げる川崎にとっては痛い2試合連続でのドローとなった。
ひと足先に試合を終えた首位の鹿島が横浜に敗れたこの日、自分たちの試合に集中しつつ、準備の段階で7連勝中の鹿島がリードされているとの途中経過を耳にしていた選手もいたという。
38試合の長丁場のリーグ戦で川崎にとっては17試合目。まだ勝点計算をするには早いが、鹿島より1試合消化が少ないなかで、勝点差は12。G大阪戦はその差を少しでも縮めるチャンスであった。
しかも前節の浦和戦は後半アディショナルタイムにまさかの失点を喫し、ホームで2-2のドロー。同じくホームでの取りこぼしを避けたい一戦であった。
その想いを表現するかのように前半はワンサイドゲームを展開した。G大阪を相手陣内に押し込み、ボールを失っても即時奪還で2次攻撃、3次攻撃へとつないでいく。
32分にはCKからマルシーニョのゴールで先制し、その後もG大阪に攻め込まれても、カウンターからもチャンスを作った。それだけに、複数得点を奪っておきたいところだったのだろう。
今の川崎の課題として、90分を通してのマネジメントが挙げられる。後半はG大阪に流れを渡してしまったのだ。60分までに2失点し、79分に同点に追いついたが、2ー2のドローで試合を終えた。
【動画】川崎・伊藤の同点弾
リーグの覇権奪回を目標に掲げる川崎にとっては痛い2試合連続でのドローとなった。
ひと足先に試合を終えた首位の鹿島が横浜に敗れたこの日、自分たちの試合に集中しつつ、準備の段階で7連勝中の鹿島がリードされているとの途中経過を耳にしていた選手もいたという。
38試合の長丁場のリーグ戦で川崎にとっては17試合目。まだ勝点計算をするには早いが、鹿島より1試合消化が少ないなかで、勝点差は12。G大阪戦はその差を少しでも縮めるチャンスであった。
しかも前節の浦和戦は後半アディショナルタイムにまさかの失点を喫し、ホームで2-2のドロー。同じくホームでの取りこぼしを避けたい一戦であった。
その想いを表現するかのように前半はワンサイドゲームを展開した。G大阪を相手陣内に押し込み、ボールを失っても即時奪還で2次攻撃、3次攻撃へとつないでいく。
32分にはCKからマルシーニョのゴールで先制し、その後もG大阪に攻め込まれても、カウンターからもチャンスを作った。それだけに、複数得点を奪っておきたいところだったのだろう。
今の川崎の課題として、90分を通してのマネジメントが挙げられる。後半はG大阪に流れを渡してしまったのだ。60分までに2失点し、79分に同点に追いついたが、2ー2のドローで試合を終えた。
【動画】川崎・伊藤の同点弾
長谷部茂利監督はやや厳しい言葉でゲームを振り返る。
「後半立ち上がりの2失点が、今日のゲームのなかで非常に良くなかったです。それがそのまま結果に反映され、自分たちが隙を見せたと思います。多くの時間で自分たちのプレーは出せたと感じますが、フィニッシュに入っていくところは、疲労もあるなかで選手交代をして少しパワーを持たせて最後に追いつくことができましたが、もう少しできるんじゃないかなと思います。あとは、2失点もしているようでは試合に勝つのは難しいですし、ここ最近2失点していることが多いので、どうにかしなくてはいけないなと思っています。
(連戦の影響は)感じました。特に終盤はスタートから出ている全員がほぼエンプティ(空っぽ)に近いような状況だったと思います。ケガを恐れてはプレーできませんが、少しセーブせざるを得ないような状況でもあったと思うので、選手たちは本当によく走ってくれました。
本音は勝点3を2試合連続取りたかった。自分たちに取れる力はあると思いますが、どちらも失点を安くしている。そこが大きな問題だと感じます」
G大阪戦の失点は1ゴール・1アシストを記録した相手の宇佐美貴史の素晴らしいプレーを褒めるべきだが、後半は攻勢を強めたG大阪に対して受けてしまい、重心を下げられた。
先発した家長昭博も「ゲームの流れの持っていき方、持っていかれ方という部分で、相手に簡単に持っていかれたような気がする。いろいろな要素があると思うが、経験、実力、いろいろな面でまだまだ足りないのかなと感じる。相手にボールを簡単に渡してしまうとリズムも壊れる。そこだけではないが、そこに対してのこだわりはもっと高く持たなければいけないと思う。1本つなげるところをクリアしたり、判断が遅くなって奪われたり、ルーズボールの処理ができなかったり。小さなことの積み重ねで相手にリズムを持っていかれていると思うので、みんなでもっと突き詰めなければいけない」と語る。
悔しい2失点となったGK山口瑠伊は今後への改善策を含めて想いを口にした。
「同点から逆転されて非常にもったいないゲームだったと思います。(宇佐美に決められた1失点目は)もちろんすごく良いシュートでしたし、スミのところで対応が難しかったですが、防げるシュートでもありました。自分だけでなくて味方と上手く連係して、どっちのコースを切るかをもう少し詰められたらなんとかできたかなと。
(宇佐美のクロスから山下諒也に決められた2失点目は)自分の判断でクロスに対して予測して、ニアを(味方に)任せた部分があったので、そこはハッキリ自分がシュートに対して準備をするべきだったと思います。シュートに対する準備をもっとすべきでした。
攻撃が上手くいっている分、守備でもう少しパワーを使ったほうが良いのかなと個人的には感じますし、入りのところなど集中すべき時は守備からなのかなと、考え直しが必要なのかなと。個人としてもグループとしても、開幕戦などは守備から入ってもちろん攻撃も重ねてやってきたので、それをもう少しやっていったほうが良いのかなと感じます」
DF佐々木旭も後悔を吐露する。
「(後半は)緩さが出てしまった。宇佐美選手も狭いスペースを与えてしまえば仕事をされてしまう。失点をする前から緩いシーンがあったので、そこを修正し切れなかった」
長谷部監督が就任した今季、かさんでいた失点の減少、被弾の多かったクロス対応の改善などをテーマにチームは強化を進めてきたが、複数失点を喫する試合は少なくない。
指揮官は、元来、川崎が持っている攻撃面も尊重し、複数得点&無失点で勝つ試合を常に狙うが、なかなか体現できていないのが現状だ。
確かにサウジアラビアでの集中開催となったACLエリートでは準優勝したが、準々決勝から決勝を中2日で戦い、1週間の期間を挟んで、中2や中3日でのリーグ戦が続いた。疲労がないと言えば嘘になる。前節はFWエリソンが負傷で涙の交代となるシーンもあった。
ACL後の5連戦は2勝2分1敗と悪くない数字だが、首位の鹿島との直接対決に敗れるなど、苦しい試合もあった。
次のアウェー・広島戦に向けては中5日とようやく少し休める時間を持てるが、準備期間は限られていることに変わりない。
守護神の山口の言葉通り、改めて守備面を見直すのか、追加点を奪えるよう攻撃面の修正を施すのか。G大阪戦では途中出場のMF大関友翔がこの日もゴールを演出するなど、若手の成長といった好材料もあった。ただ、覇権奪回にはここから急ピッチで勝点を稼ぐ必要があるだけに、次の広島戦はより大事なゲームになるのだろう。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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「後半立ち上がりの2失点が、今日のゲームのなかで非常に良くなかったです。それがそのまま結果に反映され、自分たちが隙を見せたと思います。多くの時間で自分たちのプレーは出せたと感じますが、フィニッシュに入っていくところは、疲労もあるなかで選手交代をして少しパワーを持たせて最後に追いつくことができましたが、もう少しできるんじゃないかなと思います。あとは、2失点もしているようでは試合に勝つのは難しいですし、ここ最近2失点していることが多いので、どうにかしなくてはいけないなと思っています。
(連戦の影響は)感じました。特に終盤はスタートから出ている全員がほぼエンプティ(空っぽ)に近いような状況だったと思います。ケガを恐れてはプレーできませんが、少しセーブせざるを得ないような状況でもあったと思うので、選手たちは本当によく走ってくれました。
本音は勝点3を2試合連続取りたかった。自分たちに取れる力はあると思いますが、どちらも失点を安くしている。そこが大きな問題だと感じます」
G大阪戦の失点は1ゴール・1アシストを記録した相手の宇佐美貴史の素晴らしいプレーを褒めるべきだが、後半は攻勢を強めたG大阪に対して受けてしまい、重心を下げられた。
先発した家長昭博も「ゲームの流れの持っていき方、持っていかれ方という部分で、相手に簡単に持っていかれたような気がする。いろいろな要素があると思うが、経験、実力、いろいろな面でまだまだ足りないのかなと感じる。相手にボールを簡単に渡してしまうとリズムも壊れる。そこだけではないが、そこに対してのこだわりはもっと高く持たなければいけないと思う。1本つなげるところをクリアしたり、判断が遅くなって奪われたり、ルーズボールの処理ができなかったり。小さなことの積み重ねで相手にリズムを持っていかれていると思うので、みんなでもっと突き詰めなければいけない」と語る。
悔しい2失点となったGK山口瑠伊は今後への改善策を含めて想いを口にした。
「同点から逆転されて非常にもったいないゲームだったと思います。(宇佐美に決められた1失点目は)もちろんすごく良いシュートでしたし、スミのところで対応が難しかったですが、防げるシュートでもありました。自分だけでなくて味方と上手く連係して、どっちのコースを切るかをもう少し詰められたらなんとかできたかなと。
(宇佐美のクロスから山下諒也に決められた2失点目は)自分の判断でクロスに対して予測して、ニアを(味方に)任せた部分があったので、そこはハッキリ自分がシュートに対して準備をするべきだったと思います。シュートに対する準備をもっとすべきでした。
攻撃が上手くいっている分、守備でもう少しパワーを使ったほうが良いのかなと個人的には感じますし、入りのところなど集中すべき時は守備からなのかなと、考え直しが必要なのかなと。個人としてもグループとしても、開幕戦などは守備から入ってもちろん攻撃も重ねてやってきたので、それをもう少しやっていったほうが良いのかなと感じます」
DF佐々木旭も後悔を吐露する。
「(後半は)緩さが出てしまった。宇佐美選手も狭いスペースを与えてしまえば仕事をされてしまう。失点をする前から緩いシーンがあったので、そこを修正し切れなかった」
長谷部監督が就任した今季、かさんでいた失点の減少、被弾の多かったクロス対応の改善などをテーマにチームは強化を進めてきたが、複数失点を喫する試合は少なくない。
指揮官は、元来、川崎が持っている攻撃面も尊重し、複数得点&無失点で勝つ試合を常に狙うが、なかなか体現できていないのが現状だ。
確かにサウジアラビアでの集中開催となったACLエリートでは準優勝したが、準々決勝から決勝を中2日で戦い、1週間の期間を挟んで、中2や中3日でのリーグ戦が続いた。疲労がないと言えば嘘になる。前節はFWエリソンが負傷で涙の交代となるシーンもあった。
ACL後の5連戦は2勝2分1敗と悪くない数字だが、首位の鹿島との直接対決に敗れるなど、苦しい試合もあった。
次のアウェー・広島戦に向けては中5日とようやく少し休める時間を持てるが、準備期間は限られていることに変わりない。
守護神の山口の言葉通り、改めて守備面を見直すのか、追加点を奪えるよう攻撃面の修正を施すのか。G大阪戦では途中出場のMF大関友翔がこの日もゴールを演出するなど、若手の成長といった好材料もあった。ただ、覇権奪回にはここから急ピッチで勝点を稼ぐ必要があるだけに、次の広島戦はより大事なゲームになるのだろう。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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