やっと決めた１ゴール。ただ、まだ１点だ。

　川崎フロンターレは５月21日、J１第13節で浦和レッズとホームで対戦。先制される展開のなか、一度は逆転に成功するも、終了間際に追いつかれて２－２の痛み分けに終わった。

　今季初の３連勝がかかる一戦で、MF瀬川祐輔が逆転ゴールを挙げた。後半頭から投入された31歳は、１－１で迎えた86分、大関友翔の展開から、右サイドで反応したファンウェルメスケルケン際の折り返しに右足で合わせてネットを揺らした。

　これが待望の今季初ゴール。しかし、瀬川はまったく満足していない。

「（このゴールが）シーズン終わった時にあれがきっかけだったなってなればいいかなと。もう本当に、毎試合点を取るか、アシストするか、それが自分の中では最重要項目。今の僕の立場では、それだけが本当の頼みの綱というか、それを積み上げていくなかで信頼を勝ち取って、もっと自分のプレーが出せればいいなと」
【動画】瀬川の今季初ゴール！

　今シーズン、瀬川はリーグ戦６試合に出場。そのうちの５試合は途中出場ともどかしい時期が続いている。

「もちろん先発で出たいですし、90分通してチームのために戦えるのが僕の良さなので、そこはいつか示したいと思います。ただ、監督が決めることなので、任された時間の中で自分の価値を示せるように。（出場時間が）短ければ短いほどゴールかアシスト。そこに尽きるかなと」

　毎試合スタメンで使ってもらうためにも、今回の得点はただの１点にすぎない。とにかく結果を示し続けることだけが目標へと繋がる道だ。

「僕個人としては毎試合、数字にこだわることが価値の証明になる。やっぱりこのチームは優勝しなきゃいけない。少しでもその力になれるように、チームを勝たせられるような選手であることを、次の試合でも、その次の試合でも、練習でもアピールして掴み取りたい」

　そう語った瀬川の目はすでに先を見ていた。

取材・文●手塚集斗（サッカーダイジェストWeb編集部）

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