J1全20チームを視察した日本代表・森保一監督が初のJ1で奮闘する岡山を称賛「手拍子の迫力が一番あった」

2025年05月19日 サッカーダイジェスト編集部

今節も前売りチケットは完売。1万4666人が来場

J1・20クラブ目の視察として、森保一監督が今季初めて岡山のホームゲームに訪れた。写真:永島裕基

[J1第17節]岡山 2-1 新潟/5月18日/JFE晴れの国スタジアム

  J1参入1年目、今季はホーム全試合で1万3000人超の観客を動員するファジアーノ岡山。[編集部注:第1節対京都:1万4575人、第3節対G大阪:1万3555人、第4節対清水:1万3330人、第6節対川崎 :1万3699人、第7節対横浜: 1万4892人、第9節対FC東京:1万5073人、第11節対鹿島:1万5325人、第13節対東京V:1万4285人。なおJFEスの入場可能数は1万5479人]

 昨季の1試合平均は9188人で、過去最多である1万17人を記録した2016シーズンも大きく上回り、J1フィーバーに湧いている。チケットは完売が相次いでいるようで、週末の新潟戦も前売り券は早々に完売。"ファジレッド"で埋め尽くされたスタジアムは、メインスタンドからもバックスタンドからも、大きな手拍子と声援が送られた。

 そんな岡山のホームゲームに、日本代表の森保一監督が視察に訪れた。試合後、囲み取材に応じた森保監督は、「岡山の躍動感がすごく出ていた試合かと思います」と口にしつつ、感想を述べた。

「岡山のチームとサポーターの、団結力と興奮と熱狂を感じることができました。すごくサポーターの皆さんが熱くて、サポーターの皆さんの熱量がピッチに伝わって、選手たちも躍動しているなという印象を受けました。

 今シーズンのJ1の試合を視察に回らせていただいていて、今日、20チームすべてのホームを一通り回り終えたんですけど、岡山は手拍子の迫力が一番あったなという印象を受けています」

【動画】岡山×新潟のハイライト
 約1万5000人キャパのコンパクトさも影響しているのか、JFE晴れの国スタジアムは、岡山の応援の特徴である手拍子の音がかなり大きく鳴り響く。一方で、コンパクトさゆえに前述の通り即完売という事象も起きており、スタジアムで観戦をしたいのに来られない人が発生している側面もある。岡山県内では、スタジアムの座席の拡張や、新しいサッカースタジアムの建設を求める声も挙がっているという。

 この件について報道陣から24シーズンから使用されている近隣の広島の新スタジアムを例に森保監督に質問が飛ぶとこう答えた。

「もちろん今のスタジアムでもたくさんの人が集まってくれていますし、街の歴史もあると思うので、(新スタジアムができたらより一層)素晴らしい雰囲気になると思います。サッカーイベントスタジアムや複合型サッカースタジアムができれば、ここ(試合観戦の場)がもっともっと熱狂的な空間に変わって、岡山の宝と、岡山の誇りと、そして岡山の潤いにつながる、そんなサッカースタジアムがあればいいなと思っていました」

 さらに、現状のスタジアムについては次のように指摘をした。

「スタンドが屋根に覆われていないところがたくさんありますし、『晴れの国岡山』ですけど、雨が降ったらさすがにこの観客動員は見込めず、街の盛り上がりにも影響があるかなと思います。

 サッカーの魅力として、メインスタンド、バックスタンドにたくさんのサポーターの皆さんが入っていただいて楽しんでいただくというのもありますけど、サポーターがゴール裏で、ゴールの近くでチームを鼓舞し、応援し、一緒に戦うというのもサッカーの魅力の一つです。そこが街の盛り上がりや潤いに貢献できると思いますので、ぜひ、岡山にサッカースタジアムができたら嬉しいなと思います」

 なおこの日は、江坂任のJ復帰後初ゴールと一美和成のPKによる得点で岡山が2-1で新潟を下し、7試合ぶりとなる勝利をホームで飾った。順位は15位から12位へとジャンプアップし、初のJ1でまずますの位置につけている。

 ファジアーノの躍進により地域活性のポテンシャルを秘める岡山。今後、スタジアムの在り方をどう捉えるかが、クラブだけでなく街のさらなる発展の鍵にもなりそうだ。

取材・文●佐藤香菜




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