ファウルを受けて激昂。いつも冷静で紳士的なマリノス喜田拓也が、チームメイトに示したかったこと

2025年05月15日 金子 徹(サッカーダイジェスト編集部)

小泉の肩を払い、にらみ合う

59分にピッチを退くまで、攻守に奮闘した喜田。試合後のファン・サポーターへの挨拶では、スタンドをしばらく見つめたあと、深々とお辞儀した。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

[J1第14節]横浜FM 0-2 柏/5月14日/日産スタジアム

 0-2で横浜F・マリノスが柏レイソルに敗れた一戦で、珍しいシーンがあった。いつも冷静にプレーし、ファウルを受けた時でも紳士的に対応するのが印象的な横浜FMのキャプテン喜田拓也が、激昂したのだ。

 後半開始早々のことだった。敵陣の左サイドで宮市亮からバックパスを受けた喜田は、プレスをかけてきた柏の小泉佳穂をかわすが、ユニホームを引っ張られて止められてしまう。これは小泉のファウルになったが、喜田は相手の肩を払い、にらみ合うほど怒りを露わにした。

 実は喜田がファウルを受ける数十秒前にも、ボールのないところで小泉と接触し、倒される場面があった。2つの事象が短い時間のなかで起こったから、喜田は感情的に振る舞ったのか。

 いや、おそらくチームにもっと勢いをつけたいという意味があったのではないか。そう思って訊いてみると、喜田はその真意を語ってくれた。
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「表現が難しいですけど、もう1つ、みんなの火がつけばいいなと」

 それ以上のことは「あまり多く言うことはない」とコメントを避けた。だが、リーグ戦で最下位に沈むチームの状況を、少しでも変えたいという喜田の気持ちの表われだったのは間違いない。

 試合後、ファン・サポーターに挨拶した喜田は、しばらくスタンドを見つめたあと、深々とお辞儀をした。その理由についても、声を震わせながら明かしてくれた。

「ファン・サポーターの皆さんの表情、熱気、気持ちを、自分たちが感じないといけないと思った。挨拶をしてすぐに上がってしまうのではなくて、それをしっかりと自分たちの身体に入れて、次に進まないといけない」

 もがき苦しむトリコロールのキャプテンのこうした行動は、きっとチームメイトにも伝わっているはずだ。

取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)

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