鹿島の鬼木達監督が古巣・川崎との初対戦に抱いた想い。試合後にこぼした教え子らとの再会の喜び

2025年05月11日 本田健介(サッカーダイジェスト)

2-1で勝ち切って6連勝を達成

檄を飛ばし、鹿島を勝利に導いた鬼木監督。試合後には教え子たちとの再会も果たした。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[J1第16節]鹿島 2-1 川崎/5月11日/国立競技場

 鹿島のホーム開催として国立で行なわれた一戦は、昨季まで川崎を指揮した鬼木達監督が古巣と初めて対戦するゲームとしても注目された。

 鹿島は7分にCKから川崎DF佐々木旭に頭で決められて先制を許す。前半は川崎にペースを握られたが、前半アディショナルタイムに舩橋佑のゴールで同点に追いついた鹿島は、65分にはFW田川亨介の逆転弾で、2-1で競り勝った。

「立ち上がりは苦しい展開だったと思います。ただ守備のところも押されたなかで、全員が身体を張ったこと。それが勝利につながったと感じます。気持ちのある非常に良いゲームでした」と振り返った鬼木監督は、古巣・川崎との対戦については複雑な想いを抱えていたようだ。

「試合中はいつもと変わらないですね。勝つことだけを求めてやっていましたし、できればもっと自分たちの強みを出して勝てれば良かったです。ただ、やっているなかでも、上手さとかそういうもので、点が取れない部分がありましたが、最終的には川崎というより相手として戦えたことが自分自身、良かったと感じます。

 変な感情はなく目の前の相手を倒すことに集中できたことを嬉しく思います。ただ終わればいろんな想いもあります。今シーズンは(川崎と)もう1試合あるので、良い準備をしていきたいです」

【動画】鹿島・田川の逆転弾!!
 そしてかつての教え子やスタッフたちへの感情を含めてこうも続けた。

「勝点3はどこと戦っても一緒なので、嬉しさがあります。(川崎陣営の)悔しい表情を見れば、いろんな想いはありますが、こうやって自分も鹿島の一員としてここにきているのは、やっぱり優勝するためにきているので、そこを主として考えながらいくのが自分のスタイルだと思います。もちろんいろんなものがありますが、そこに大きなものを持たないことが大事なのかなと、この立場としては考えています」

 一方で試合後のミックスゾーンの傍らでは川崎の家長昭博、大関友翔、山田新、橘田健人、佐々木旭らと再会を喜び、話し込む場面もあった。

 今は鹿島の勝利のために戦うのは当然ながら、ピッチを離れれば、慕われる温和な"オニさん"の表情に戻った指揮官は「やっぱり彼らと久しぶりに会えたのは嬉しいですね」と話してスタジアムを後にした。

 鹿島は川崎戦の勝利で6連勝を達成し、勝点34で首位をキープ。鬼木監督にとっても忘れられない勝利になったはずだ。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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