“クラブ史上最高の外国人”が批判の的に…契約は今季限りで去就はどうなる?【現地発コラム】

2025年05月05日 エル・パイス紙

本拠地『メトロポリターノ』でブーイング

小さくない批判を浴びているグリーズマン。(C) Getty Images

 ヘアバンドで髪を纏めたアントワーヌ・グリーズマンのシルエットが、練習場で一際目を引いた。最前列に並び、素早い方向転換の練習が始まるのを待っていた。集中し、静かに立ち尽くす姿は、自身の存在が疑問視される中で模範を示そうとしているかのようだった。

 アトレティコ・マドリーがチャンピオンズリーグ(CL)とコパ・デル・レイから敗退し、ラ・リーガの優勝争いから事実上脱落した3月上旬から4月上旬にかけて、グリーズマンは、違いを生み出すプレーを見せられなかったとして批判の的にされている。

 しかもグリーズマンのこの失速は、去就報道が過熱する時期と重なった。契約が満了するのは来年の6月だ。しかし首脳陣の間では、来シーズンも戦力としてカウントしているディエゴ・シメオネ監督の希望も踏まえて、残留するとの見方が支配的だ。

 幹部の1人は、スポーツ面で「厳しい時期」を過ごしていることを認めながらも、「グリーズマンはアトレティコで幸せだ」と強調する。

 確かに最近のグリーズマンは、頻繁に中盤に下がってきてプレーメイクに関わる一方で、最終局面での大胆さが欠如している。

 上層部からはその原因としてコンディションの悪さを指摘する声が上がっており、クラブ史上最高の外国人選手との呼び声高い彼が、レアル・マドリーとのCLラウンド16の2試合とラ・リーガ第23節、バルセロナとのコパ・デル・レイ準決勝第2レグといった大一番で沈黙する結果となった。

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 それは本拠地『メトロポリターノ』でブーイングを浴びる事態も招いたが、それでも彼のコミットメントと卓越したリーダーシップに対する評価は不変だ。

 ピッチ外でも、残留を後押しする要素が1つある。妻が6月に出産予定で、かねてから友人でもあるユーゴ・ロリスとオリビエ・ジルーがプレーするロサンゼルスFCへの移籍が取り沙汰されているMLS行きを延期する可能性が高まってきたからだ。

 残留することになれば、グリーズマンはアトレティコで最後の挑戦に直面することになる。6月に開幕するクラブW杯で好成績を収め、シーズンをできる限り良い形で終えることはもちろん、このままコンディションが上がらなかった場合は、控え1番手、2番手の役割を受け入れることだ。

 その仮定についてシメオネ監督は「幸いなことに、過去に同じような状況に直面した選手たちとは非常に良い形で共存できた。そのために話し合いを重ね、チームが何を必要としているかを明確にした。そのチームのニーズが前提としてあって、それぞれの立場で大切にされている存在だと感じてもらえればいいんだ」と語っている。

 指揮官は、自身の手で世界的なスターに育て上げた選手からのポジティブな反応を期待している。また、グリーズマンがアトレティコで今シーズンよりも良い結末を迎えるべきだという意見は、クラブ内で広く共有されている。

文●ラディスラオ・J・モニーノ(エル・パイス紙アトレティコ・マドリー番)

翻訳●下村正幸

※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙のコラム・記事・インタビューを翻訳配信しています。

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