メディカル分野の専門家が【ケガ予防】のメソッドを大公開!――足関節捻挫編

2016年07月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

サッカーで最も多いケガのひとつ。受傷直後の早めの処置が大切!

同愛記念病院 関節鏡・スポーツセンター 立石智彦先生

 クラブや学校の部活動で日々トレーニングに励む小中高生を中心に、日常的にサッカーをプレーしていればケガのリスクがつきもの。しかし「自分の身体に常に目を向けることでケガのリスクは減らせます」と言うのは同愛記念病院の医師・立石智彦先生だ。
 
 本企画では、サッカーで起こりやすい怪我の仕組みやその原因、また怪我からの復帰の流れや予防トレーニングを、立石先生と、日本代表選手も信頼を寄せるトレーナーの並木磨去光氏、東洋大サッカー部トレーナー・山浦伊吹氏の監修のもとで紹介する。
 
 今回は、サッカーで最も多いケガのひとつ、「足関節捻挫」を取り上げたい。
 
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■足関節捻挫の仕組み
 
 足首を強くひねる、またひねった状態で着地することが原因で靭帯を損傷してしまうのが「足関節捻挫」だ。また足首捻挫の約90パーセントが足首を内側にひねる、内反(ないはん)捻挫と言われている。外側の靭帯(前距腓靭帯)に負担がかかり、靭帯が損傷すると外くるぶしの周りに腫れや痛みが出るという症状が現われる。
 
 サッカーでは最も多いケガのひとつで、捻挫は一度してしまうと靭帯が伸びてしまい、役割を果たしにくくなり、再発することが多く見られる。受傷した場合、初期は適度な固定を行ない、サポーターを使いながら段階的なリハビリテーションが必要になる。
 
■足関節捻挫の受傷原因
 
 捻挫をしてしまうケースとしてよく見られるのが、切り返しやサイドステップ、カットイン、ストップ動作、ジャンプの着地といった動きのなかで、自らバランスを崩して足首をひねってしまうというパターンだ。
 
 また動きとは別に、ピッチ状態が関係することもある。例えば人工芝ではストップ動作がしやすい半面、足首にかかる負荷が特に大きく、捻挫の発生率が上がるとも言われている。

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次ページ受傷直後は早めの「RICE処置」が肝心。痛みが落ち着いたら患部の可動域を戻す訓練から。

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