【磐田】小林祐希が完敗したチームに“喝”。「こんなしょぼいサッカーを見せられたら…」

2016年07月03日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「後半は良くなったと言っても、結果は0-3。俺は納得できない」。

広島に完敗を喫し、小林は「俺を含めてもっとギラギラしてやらないと」と警鐘を鳴らす。 写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[J1・第2ステージ1節]広島3-0磐田 7月2日/Eスタ
 
 0-3と完敗を喫した広島戦後、ミックスゾーンに姿を現わした小林祐希の言葉には抑えきれない怒気が滲み出ていた。不甲斐ない戦いをしたチームに、何よりそういった逆境を撥ね返すことができなかった自分に――。
 
 練習態度が悪く、第1ステージ最終節・仙台戦のメンバーから外されたエースのジェイがスタメン復帰。フィールドプレーヤーは現状考えられるベストメンバーだったが、前線からの守備が連動性を欠き、広島の2トップ+2シャドー、両WBに面白いように攻撃をさせてしまった。小林は中盤まで落ちて懸命に組み立てようとするも、引っ掛けられて最前線までボールを運べず。それぞれが孤立する状況に焦りを感じたのか、シュートを急ぐ場面が何度も見受けられた。
 
 2点ビハインドで迎えた後半は、両WBが対面のボールホルダーに厳しく寄せ、裏を取られてもストッパーがスライドして対応するなど、「何もできなかった」(宮崎智彦)前半から多少盛り返した。その点に関しては名波監督も「修正した選手たちは次節につながるようにやってくれた」と評価したが、敗戦を受け入れられない小林は自分の考えを述べた。
 
「たしかに、後半は前から守備に行くとか、(攻撃で)前に出て行く意識は出たと思います。とは言っても、結果は0-3。俺は納得できない」
 
 小林は、チームに貪欲さや"ギラギラ感"が足りないことに警鐘を鳴らす。
 
「リスペクトとかじゃなく、俺も含めてもっとギラギラしてやらないと。それが感じられないから、俺も替えられたのかもしれないし。(お客さんは)みんなお金を払って(スタジアムに試合を)観に来ている。こんなしょぼいサッカーを見せられて、いったい帰りにどんな気持ちで帰るのか。こんなんじゃ……」
 
 今季チームリーダーとして成長し、日本代表も経験した自覚がチームに奮起を促す言葉を発させたのだろう。そして、何より好きでやっているサッカーにおいては、負けたくないという強い気持ちがあるのだ。
 
「1週間で気持ちを切り替えて、死に物狂いでやらないとJ1で勝ち残っていけないと思います。もっと(勝たないといけないという)使命感みたいなものを持ってもいい」
 
 怒りや悔しさを必死に押し殺し、会場を後にした小林。次節の大宮戦、どういった形でチームをリードし、勝利に導くのか。第2ステージは始まったばかりだが、早くも正念場となりそうだ。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事