狙い通りの試合運びでイタリア快勝! スペインにリベンジ果たす

2016年06月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

スペインは攻撃に工夫がなく、相手守備陣に脅威を与えられず。

ベルギー戦のような展開でまたしても強豪撃破。イタリアの良さばかりが出た試合だった。写真は先制時。 写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

 6月27日(現地時間)、EURO2016のラウンド16で、イタリアが2-0でスペインを下した。
 
 このラウンド最大の注目カード。スペインが最終節でクロアチアに敗れた2位となったことで、前回大会決勝のカードが早くも実現した。
 
 大雨のなかで始まった試合は、リベンジを狙うイタリアが開始直後にデ・シリオがボールをカットして駆け上がり、中央にクロスを入れる。フィニッシュには繋がらないものの、積極的に攻めるイタリアが早くも主導権を握った。
 
 6分のエデルのファーストシュートはDFにブロックされるも、その3分後にはFKからペッレがヘディングシュート。GKデ・ヘアの好守に阻まれたが、イタリアは早くも決定機を得た。
 
 サイドのタイミングの良い上がりが効果を発揮し、自在にピッチを広く使ってボールを繋ぐイタリア。局面での当たりにも強く、ルーズボールもほとんど拾い、幾度もスペイン・ゴールに迫っていく。
 
 20分あたりからスペインもシルバが起点となって攻撃のかたちを作るものの、待ち構えるイタリア守備陣を崩すことはできない。イタリアはスペインの攻撃を予測し、一度も後手を踏むことなく、これをはね返し続けた。
 
 そして33分、ペッレに縦パスが通ったところを、背後からピケに倒され、イタリアはゴール正面の好位置でFKを得る。エデルのシュートはデ・ヘアがセーブするも、こぼれ球にジャッケリーニが素早く反応し、さらにこぼれたところをキエッリーニが詰めた。
 
 先制したイタリアは、その後も良いかたちでボールを奪い、ボールを繋ぎ、幾度も好機を生み出し続けながら、前半の残り時間を過ごした。
 
 良いところがなかったスペインは後半、ノリートを下げてアドゥリスを投入して状況打破を狙う。
 
 イタリアは序盤からやや押し込まれるも、落ち着いた対応でスペインの攻撃をはね返す。そして攻勢に転じると、55分にペッレのパスで抜け出したエデルがGKと1対1となるが、シュートはデ・ヘアにセーブされ、追加点を奪うことはできない。
 
 スペインは攻める時間こそ前半に比べて長くなったものの、ラストパスやクロスが工夫に欠けるため、イタリアに脅威を与えることはなく、また足元へのパスが多いため、再三カットされ、カウンターに繋げられる。
 
 良いかたちでボールを繋いでも、相手の守備ブロックの前にボールの出しどころに困り、押し戻される場面が、何度も見られる。そしてリズムを崩し、何でもない最後尾でのパス回しですらミスを犯してしまう。
 
 しかし、70分に味方のスルーからアドゥリスがシュート、71分にもCKからラモスが競り合ってヘディングシュートを放つなど、攻撃をフィニッシュにまで結び付けたスペインは、ようやくイタリア守備陣を脅かし始める。
 
 76分には、左右に広く繋いでイニエスタがミドル。その1分後にもピケが強烈なシュートを放ち、GKブッフォンがこれを何とか弾き返した。
 
 終盤に入り、スペインはアドゥリスからペドロに代え、より攻勢を強める。90分、ロングボールからイタリアのヘディングが後方に流れたところを、ピケが足を伸ばすが、シュートはブッフォンにセーブされた。
 
 そしてアディショナルタイム、逆襲からイタリアはフリーでボールを得た右サイドのダルミアンが中央にクロスを入れ、これをペッレが右足で叩き込んで追加点。グループステージ初戦のベルギー戦のような展開で、スペインを突き放した。
 
 まさに、狙い通りの試合運びで、難敵を撃破したイタリア。4年前の雪辱を果たし、準々決勝へ駒を進めた。次の相手はドイツ。調子を取り戻した世界王者に対し、試合巧者がいかに立ち向かうかが、今から楽しみである。

【PHOTOギャラリー】イタリアが巧みな試合運びでスペインの三連覇を阻む
 
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