グリエーズマンが2ゴール! 鮮やかな逆転勝利を飾ったフランスが8強へ進出

2016年06月27日 サッカーダイジェストWeb編集部

勝負を分けたデシャンの采配。

後半に入り、トップ下でプレーしたグリエーズマンは自由にボールを受けられるようになり、2ゴールを決めて千両役者ぶりを発揮した。 (C) Getty Images

 6月26日(現地時間)、EURO2016の決勝トーナメント1回戦のフランス対アイルランドが行なわれ、フランスが2-1で勝利した。
 
 互いに4-3-3の布陣で臨んだ試合は開始早々の2分にアイルランドがいきなり均衡を破る。
 
 キックオフと同時に思い切った攻撃を仕掛けると、ペナルティーエリア内でシュートチャンスを迎えたFWロングがポグバに倒されPKを獲得。これをブレイディが確実に決めて先制に成功した。
 
 出足に躓いたフランスはポグバ、パイエのいる左サイドを中心としたポゼッションで猛攻に出て、18分にはパイエのFKからグリエーズマンが決定的なシュートを放つなど、アイルランドをほとんど自陣に釘付けの状態にする。
 
 守勢に回ったアイルランドだがフィジカルを利した守備で応戦。とくに相手の起点となるポグバに対しては複数人でプレッシャーをかけて自由を与えない徹底した守りを見せた。
 
 ほとんどの時間帯でボールを支配し、シュートも相手を上回る8本放ったフランスだったが、アイルランドの執拗なマークに苦しんでネットを揺らすことができずに前半を終えた。
 
 攻め手を欠いたフランスは後半開始とともにアンカーのカンテに代えて、ウインガーのコマンを投入し、ポグバとマテュイディをボランチにする4-4-2に布陣を変更した。
 
 これでバイタルエリアに人数をかけられるようになったフランスは、アイルランドのアンカー、マッカーシーの両脇のスペースを利用して効果的に攻めたてた。
 
 デシャンの采配でアイルランドを完全に押し込んだフランスの猛攻は58分に実る。
 
 中央のパイエから左サイドにオーバーラップしてきていたサーニャに展開すると、そのSBからピンポイントクロスがボックス内に送られ、グリエーズマンがヘディングで決めたのだ
 
 この同点弾で会場のボルテージが上がると勢いに乗ったフランスは再びネットを揺らす。
 
 61分、ラミのロングボールをバイタルエリアにいたジルーがヘディングで落とすと、受けたグリエーズマンが左足で強烈なシュートを放って右隅へと流し込んだ。
 
 3分間でフランスに逆転されたアイルランドは66分、グリエーズマンに最終ラインを突破されるとペナルティーエリア寸前の位置でCBのダフィが背後から倒してしまい退場処分となったのだ。
 
 リードして数的優位となったフランスは完全に試合を掌握。アイルランドは守りに時間を割かれ、攻め込む体力がなくなって敵陣でプレーする機会を作れずに防戦一方の展開のまま2-1でタイムアップとなった。
 
 先制しながら敗れたアイルランドは、2002年ワールドカップ日韓大会以来となるメジャー大会での決勝トーナメント進出を果たしたが、その時と同様にベスト16で大会を去ることとなった。
 
 一方、フランスはベスト8へ進出。EUROでは優勝した2000年大会以降、突破できていない8強での対戦相手は6月27日のイングランド対アイスランドの勝者となる。
 
 鮮やかな逆転劇を演じ、チームとしての一体感が出始めたフランス。この勢いで鬼門の8強を突破することができるのかに注目だ。
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事