2025年３月20日、北中米ワールドカップのアジア最終予選で日本代表がバーレーン代表を２-０と撃破した一戦でハイライトのひとつが、久保建英のゴールだ。

 １-０で迎えた88分、コーナーキックの流れから伊東純也の縦パスに反応した久保はそのままドリブルで持ち込み、狭い角度の位置から左足でゴールに蹴り込んだシーンにファン・サポーターは歓喜しただろう。

 得点後、久保は喜びのあまりユニホームを脱ぐと、そのユニホームを空中に放り投げたのである。そのシーンを記者席から見てふと思った。「誰が拾うのかな？」と。

 

　すると、スタジアムの興奮が最高潮に達し、久保がチームメイトに囲まれて祝福されているなか、ひとりの選手が歓喜の輪に加わらず地面にあったユニホームを拾った。その彼が、キャプテンの遠藤航だった。

　遠藤はユニホームを久保に渡すと、彼の頭をポンと叩いた。その風景がなんとも微笑ましかった。

取材・文●白鳥和洋（サッカーダイジェストTV編集長）

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