【川崎】ベテラン井川が語るステージ2位の悔しさ、年間優勝を狙うチームの可能性

2016年06月26日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「追加点を憲剛が取ったのは良かった。等々力の良い雰囲気を彼が作ってくれた」

エドゥアルドに代わってCBで先発出場した井川(4番)は、最終ラインを上手く引き締めながらクリーンシートに貢献した。 (C)SOCCER DIGEST

[J1・1stステージ17節]川崎2-0大宮 6月25日/等々力
 
 キャプテンの中村憲剛に次いで在籍歴の長い井川祐輔は、逆転優勝を懸けた大一番で、負傷のエドゥアルド(左ハムストリング肉離れ/全治5週間)に代わって先発出場した。プロ16年目のベテランは前節の福岡戦で引き分けたあと、「これまで大事な試合で負けてきた苦い経験を、試合前に伝えられたのかなと。経験者として後悔はある」と話していたが、大宮戦を迎えるにあたっては、体験談よりもお互いの意思疎通に重きを置いたという。
 
「特にこれと言って過去の話をしたわけじゃありません。逆に、言い過ぎるとプレッシャーにもなってしまうので。それよりも、練習中は積極的にコミュニケーションを取ってきたつもりだし、試合中も常にみんなに信頼してもらえるような"声掛け"を意識しました」
 
 立ち上がりはチーム全体に硬さが見られたが、井川自身は最終ラインを上手く引き締めながら、中盤にパスを通してビルドアップ面で貢献。自分の仕事に注力すると、22分に大塚翔平の技あり弾で先制し、56分には中村の見事なコントロールショットでリードを2点に広げた。
 
「ウチの攻撃陣だったら点を取ってくれるというのは信じていたので、後ろは失点しないようにとみんなで話していました。そのなかで良い時間帯に(1点目を)取れた。その後は追加点が大事でしたが、そこを憲剛が取ったのは良かった。等々力の良い雰囲気を彼が作ってくれたし、こういう舞台で活躍してくれるのは頼もしい限りです」 
 
 しかし、大宮相手に2-0と快勝を飾ったものの、首位の鹿島も勝利したため、勝点差わずか1でステージ優勝は夢と消えた。前節、中村がいれば――。福岡戦で勝てていれば――。初のリーグタイトルが見えていただけに、「届きかけていた物を失ったほうが大きい」(井川)という想いは拭えない。それでも井川は、チームメイトたちを代表して話すかのように、前を向いて力強い言葉を続けた。

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