もはや言葉を失う領域、真の化け物だった。森保ジャパンの強さが際立つほど彼の偉大さを痛感させられる【日本代表】

2025年03月18日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

“日常の変化”がもたらす強さ

文字通り規格外だった中田。(C)SOCCER DIGEST

 ベスト8で散ったアジアカップの体たらくを見て日本代表の未来に危機感を募らせたファン・サポーターもいただろう。ロングボールに上手く対応できず、あっさりと失点する。これでワールドカップの最終予選は大丈夫なのか、と。

 しかし、北中米ワールドカップのアジア最終予選で森保ジャパンは圧巻のパフォーマンスを披露する。3-4-2-1システムでウイングバックに堂安律、伊東純也、三笘薫、中村敬斗らアタッカー色の強い選手を配置するやり方が奏功。守備面ではハイプレスが機能し、初戦で中国に7-0と大勝すると、続くバーレーンとのアウェーゲームも5-0で制す。

 連勝スタートを飾った日本は敵地でのサウジアラビア戦(3戦目)も2-0と完封勝利。ホームのオーストラリア戦(4戦目)こそ1-1だったが、その後、インドネシア、中国をいずれもアウェーで4-0、3-1と下し、首位の座をガッチリとキープしているのだ。

 6試合を終えて5勝1分の勝点16、総得点が22、総失点が2と、これらの数字を見ても圧巻である。彼らの強さの秘密はどこにあるのか。3月17日の囲み取材での南野拓実の証言はその答を探るうえでひとつのヒントになるかもしれない。

「代表に選ばれている選手がヨーロッパで、しかもレベルの高い環境でプレーできている。そこで何かを吸収してここに来ていると思うし、意識の高さは練習でも伝わってきます。その積み重ねが代表の強さに繋がっている感覚です」
 
 同日の囲み取材で長友佑都に南野のコメントを伝えると、この38歳のベテランはひとつ頷いて持論を展開。インテルなどで活躍した長友はかつて代表活動で「取り残されている感覚があった」が、「今は食事の席でも熱い話ができて、自分のエネルギーを受け入れてもらえている。すごく居心地がいい」という現状を踏まえ、次のように語ってくれた。

「色んな意味で化け物たちと日常を過ごしていると、僕なんて普通になる。日本では僕がぶっ飛んでいるように見えるかもしれませんが、世界に出ると化け物はたくさんいる。それに彼らが慣れてきた。長友という生物に慣れてきた」

 かつて国内組が大半だった日本代表のメンバーも今や欧州組がメイン。時間の流れとともに変化していった"選手の日常"が、日本代表に大きな影響を与えている。

 今でこそ日本人選手がビッグクラブに移籍しても驚かなくなったが、改めて思う。中田英寿こそ真の化け物だったと。セリエAが世界最高峰のリーグだった2000年代初頭、ペルージャからASローマに引き抜かれて、しかもスクデット獲得にまで貢献したのだから、もはや言葉を失う領域である。

 森保ジャパンの強さが際立つほど、個人的には中田の偉大さを痛感させられる。2000年初頭、ひとり違う日常を過ごしていたのが中田だったのだろう。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

【画像】絶世の美女がずらり! C・ロナウドの"元恋人&パートナー"たちを年代順に一挙公開!

【記事】「白いブラウスの下に黒のビキニ姿でポーズ」なでしこ同僚の26歳FWがオフを満喫「ファンには魅力的な写真を披露した」

【画像】華やかなコスチュームでエール! 大会を彩る韓国女子サポを特集!
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事