「パーフェクトでした」京都の曺貴裁監督が今季初先発の2人を賞賛「出場機会がないなかで炎を出しながら練習している」

2025年03月17日 岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

「うちは総合力で勝っていくチーム」

清水戦でチームを勝利に導いた曺監督が、初めて先発起用したふたりに賛辞を送った。写真:鈴木颯太朗

 3月16日に行なわれたJ1第6節で、京都は清水と敵地で対戦した。

 38分にエースのラファエル・エリアスがPKで先制ゴールを奪い、67分にジョアン・ペドロが追加点をマーク。終盤にPKを与えて失点するも、1点のリードを守り切って2-1で勝利した。

 ふたりのブラジリアンがヒーローとなった一戦で、数字には残らないが素晴らしい働きを見せた選手がふたりいた。

 ひとり目は、4-3-3の左ウイングで先発した松田天馬だ。この18番は中央寄りの立ち位置を取って果敢に敵の懐に潜り込むと、狭いスペースで持ち前のテクニックを発揮し、35分にPKを奪取。先取点を呼び込んだプレーだけでなく、豊富な運動量を活かして高強度なハイプレスをベンチに下がる59分まで続けた。

 ふたり目は米本拓司だ。右インサイドハーフでスタメンに名を連ね、鋭いタックルでボールを奪い、敵の攻撃の芽を摘みながら、カウンターの出発点になった。
【動画】清水×京都のハイライト!!
 両者とも先発は今季初で、期待に応えた松田と米本を、曺貴裁監督は次のように称える。

「天馬と米本に関してはパーフェクトでした。非常に素晴らしい出来だった。出場機会がないなかで、炎を出しながら練習している姿を見ていましたし、アクシデントがあったパトリック(・ウィリアム)に代わって久々に出場したアピア(タウィア久)も良い働きだったと思います。うちは総合力で勝っていくチームなので、(出場機会の少ない選手の活躍は)明るい材料です」

 賛辞を受けた本人たちにとっても、手応えを感じる一戦だったようだ。

「PKのシーンは足を止めずに入っていけて良かったですし、(平戸太貴が)よくパスを出してくれたなと。体力的にはまだまだ戦えたけど、今季、僕は45分以上プレーしていないので、そこを考慮してくれたのかなと。次のために体力を残しておきます」(松田)

「久々のスタメンで緊張しましたが、開始1分から出し切ろうと思っていましたし、頑張って走りました。先発で出してもらえるのは期待されている証拠ですし、チームを変えてくれというメッセージだと思うので、ここで踏ん張れたのは個人的にも良かったです」(米本)

 清水戦控えやメンバー外となった選手だけでも、松田の主戦場のウイングにマルコ・トゥーリオや奥川雅也ら、米本と同じ中盤に川﨑颯太や武田将平らがいて、戦力は豊富だ。

 松田、米本の活躍でチーム内の競争に火がつくか。今後の激しいポジション争いから目が離せない。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

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