「途中交代は無念」ソシエダサポが“断トツ”で期待した久保建英が奮闘も…欧州終戦に番記者は悲嘆「タケ包囲網で魔法を披露できなかった」【現地発】

2025年03月16日 ミケル・レカルデ

主力が揃って期待外れのパフォーマンス

76分でまさかの交代となった久保。(C) Getty Images

 レアル・ソシエダは、期待に胸を膨らませ、シーズンの山場を迎えていた。対戦相手は、レアル・マドリー、バルセロナ、マンチェスター・ユナイテッド、セビージャ、そして再びマンチェスターと強豪ばかりだ。

 ツール・ド・フランスで言えば、アルプスステージとピレネーステージが一緒に訪れるようなものだ。ラ・リーガに加え、コパ・デル・レイとヨーロッパリーグ(EL)の2つのカップ戦で上位に勝ち残っていたからこそ得た特権であるが、結果的には、1-1の引き分けに終わったELのマンチェスターとの第1レグを除き、残り4試合で全敗した。

 内容も、フィニッシュ、フィジカル、運動量すべてにおいて後手に回った。主力が揃って期待外れのパフォーマンスに終始したことも大きな要因の1つだ。そしてその中にはタケ・クボ(久保建英)の名前も含まれる。

 この強豪との連戦を前に、地元のラジオ番組で、ソシエダが大きな夢を描くには、誰がキープレーヤーかというファンアンケートが実施された。 結果は予想通り、2位以下に大差をつけて、タケが選出された。

 昨シーズンまでに比べれば、ソシエダの攻撃はスピードも精度も落ちている。つまり局面を打開できるドリブラーの存在価値が高まっており、ソシエダにおいてその役割を担っているのは言うまでもなくタケだ。
 
 しかしもちろん相手も研究してくる。タケに対し、二重、三重の包囲網を敷いてくるのはもはや常套手段で、おまけに連戦による疲労の蓄積も響いて、魔法を披露することができなかった。

 ユナイテッドとの第1レグもそうだった。危険なクロスを入れたり、シュートを放ったりなんとか突破口を開こうとしたが、5バック気味に構える相手守備陣にアシストやゴールに繋がるルートを封鎖され、80分にシェラルド・ベッカーと交代でベンチに退いた。

 78分からの途中出場となったセビージャ戦を挟んで臨んだ第2レグは、立ち上がりからタケはより鋭く、危険で、積極的で、活発だった。開始2分に挨拶代わりに又抜きを披露すると、6分には相手2人を引きつけてタメを作ってから、右サイドを駆け上がったアリツ・エルストンドにパスを送った。

 エルストンドがそのままダイレクトで中央へ折り返すと、ニアサイドに走り込んだミケル・オジャルサバルがデ・リフトと接触。VARによってPK判定となり、これをオジャルサバルが自ら決めて、ソシエダが先制した。
 

次ページ劣勢に追い込まれていくチームとともに、タケも試合から消えた

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