横浜FCで再起をかける山田康太。新たな発見も、選手としての成長も。「自分ももっとやらなければいけない」

2025年03月13日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「自分はもっと強度を出せる」

横浜FCで新たな一歩を踏み出した山田。写真:永島裕基

 週末にセレッソ大阪戦を控えた横浜FCのある日のトレーニング。ゲーム形式のメニューで、新加入の山田康太が鋭いシュートでネットを揺さぶった。

 25歳のアタッカーに現在のコンディションを訊けば、「正直に言ったら、あんまり良くないというか」と明かす。状態が"悪い"というより、"改善の余地あり"という意味だ。

「先週からやっていますけど、まだ数少ないトレーニングしかできていないですし、新しい環境で、まだ探り探りというか。ここからですかね。自分のコンディションもそうだし、周りとの連係も含めて、まだまだかなと思います」

 2025シーズンはガンバ大阪でスタートした。開幕後に「不適切なSNSの使用による他者への迷惑行為」が発覚してチームを離脱。その後に横浜FCへの完全移籍が発表された。

「声をかけていただいて、クラブ的に予算だったり難しいものがあるなかで、開幕してからだとイレギュラーだったと思うんですけど、話をまとめてくれました」

 迎え入れた横浜FCへ感謝しつつ、「新しいチームメイトとプレーしていくなかで、楽しさだったり、新たな発見だったり、自分ももっとやらなければいけないなって思う。また1つ、選手として成長できるのかなと思いますし、頑張りたい」と神妙に語る。

 直近の5節・FC町田ゼルビア戦(0-2)でさっそくベンチ入りし、75分に途中出場して新天地デビューを飾る。いくつかの印象的なプレーを見せたが、「自分が何かできたとはまったく思っていない」と振り返る。
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 3-4-2-1のシステムで、堅守が持ち味の横浜FCでプレーの幅を広げようとしている。

「5バックを引いて、そこのシャドーに入って、ディフェンスの時に5-4-1でサイドに守備に下りたりっていうのも、やったことがなかった。そこはヨモさん(四方田修平監督)の要求もそうだし、毎日が本当に学びです。何がこのチームに必要なのか。求められているプレー、チームのためにやれることをやっていきたい」

 期待したいのは、やはり攻撃面の貢献だ。横浜FCは5節を終えて、1勝1分け3敗の勝点4で15位。総失点4は悪くない数字だが、総得点1はあまりにも貧弱だ。

 山田は「クロスに人数をかけて入るとか、そういう時は雰囲気が出ていると思う」とし、次のように見解を示す。

「でもやっぱり、やっとボールを前に運べて、たとえばそこで早く上げなければと思っちゃった時とかは、中で競るのが1人で、なかなか雰囲気も出せず、弾かれて、自分たちも間延びして、(こぼれ球を)拾えなくて、また行ったり来たりで、攻守においてパワーを出せていないなっていうのは感じています」

 少なからず、もどかしはあるのだろう。だからこそ、自分が力になりたいと考えている。

「自分が入ったら、少し前で時間を作るプレーだったり、味方としっかりボールを運んで、人数をかけて相手陣地に入って、数人が絡んでクロスを上げ切るとか。より良い形でクロスを上げたり、中に人数もかけたりっていうところでやっていけば、こぼれ球でもチャンスがあるだろうし、クロスでそのままゴールというシーンも増えるかなと。ビルドアップの部分で助けになりながら、前で時間を作るプレー、自分のゴールやアシストができたら、チームの調子も良くなると思う。まずはそういうところで貢献したい」

 チームメイトとの連係構築やコンディション作りで、もう少し時間がかかるかもしれない。ただ、「自分はもっと強度を出せる」と山田は意気込む。J1残留を目ざす横浜FCで、子どもの名前にちなんだ76番を背負う男が再起をかける。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

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