U-20アジアカップでU-20ワールドカップの出場権を逃した国のひとつが、イランである。日本との準々決勝でいきなり先制しながらも前半のうちに追いつかれ、延長戦でも決着をつけられず、PK戦で３-４と敗れてしまった。

　イランからすれば、ここでの敗退は悪夢だったに違いない。グループリーグの初戦でインドネシアを３-０と一蹴したイランは続くイエメン戦に６-０と大勝すると、ウズベキスタンとの３戦目は２-１で逃げ切った。３戦全勝で11得点・１失点とほぼ盤石の成績で決勝トーナメントに勝ち上がっただけに、この勢いのまま頂点まで突っ走っても不思議はなかった。

　識者の河治良幸氏は今回のU-20イラン代表について次のように話す。

「今回のイランはアジア最強どころか、世界でも有数の世代。ですので、アジア代表としてイランがU-20ワールドカップに出られないのは結構なトピック。それぐらい強いチームでした。文字通りの黄金世代で、（サルダル・）アズムンの世代にも負けないくらいでした」
 

　確かに、GKのアルシャ・シャコウリ、FWのイスマイル・ゴリザデなど有能なタレントが複数いた。

「個人で見ると、シャコウリ、センターバックの（エルファン・）ダルビッシュアーリ、フォワードの（レザ・）ガンディープールあたりはヨーロッパでも戦えそうな選手。２、３年後どうなっているか楽しみです」

　それでも強国イランは結果的にU-20ワールドカップの出場権を獲得できなかった。今回のU-20アジアカップは強いチームが勝つわけではなく、勝ったチームが強いという事実を改めて認識させてくれた大会だったとも言えるか。

構成●サッカーダイジェストTV編集部

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