怒涛の快進撃でブンデス3位に浮上!マインツはなぜ強いのか。躍動する日本人MFは冷静沈着「全然気は抜けない」【現地発】

2025年03月10日 中野吉之伴

ボルシアMGにアウェーで3-1の勝利

全試合スタメン出場を続ける佐野。(C)Getty Images

 佐野海舟が中心選手として活躍するマインツは、日本代表DF板倉滉がイエローカード累積で出場停止、福田師王が74分から途中出場したボルシアMG相手にアウェーで3-1の勝利をあげた。

 2-0から2-1とされた後の時間帯はしばらく緊張感ある空気が漂ったが、77分に中盤でコンビを組むナディム・アミリが素晴らしいミドルシュートでチーム3点目を決めると、そこから相手にチャンスらしいチャンスを与えることなく、終わってみれば快勝だった。

 これで3位に浮上し、クラブ史上最高のシーズンになりそうなマインツにおいて、佐野はこの日も攻守に好プレーを何度も披露。競り合いに強く、的確なポジショニングでカバーリングをする。攻撃時に味方との連携でスペースに抜けていく頻度もタイミングも、加入時と比べたらはるかに改善されている。

 試合後の取材エリアでは、「ここから負けられない試合が続くので。順位が近い相手も多いですし、切り替えて次の戦いに向けて。今日出た課題を修正できればいいなと思います」と試合を振り返っていた。快勝後のコメントにしては少し厳しい感じもある。

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 佐野が言う「今日出た課題」とは何だろう。続けて尋ねてみた。

「個人としては全然だったので。特に前半は全然試合に入れていなかった。守備面で距離感があまりよくなかった。中途半端にいって逆にスペース与えちゃうところや、狙いきれないところもあった。もうちょっと修正しないといけないなと思います」

 確かに本人が指摘するようなシーンはあった。よりよい選択肢を持てていたら、より精度の高いプレーができていたら、よりチームの勝利に貢献できるようになるのは間違いない。

 一方で本人がそうした課題を感じていながらも、マインツはチームとしての安定感が揺らぐことはほぼなかった。それだけチームとしての修正力が標準装備されてきたことの証だろう。

 試合の中でずれが生じることはたくさんある。それをどこまで予想して、プレーできるのか。どのようにお互い支え合うのか。明確なビジョンでプレーできているから今のマインツは強い。
 

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